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ロッテで活躍中のブラジル人通訳はなぜ「サッカーではなく野球」に熱中した? 運命を変えた1本のコメディー映画と“日本愛”のストーリー
text by
梶原紀章(千葉ロッテ広報)Noriaki Kajiwara
photograph byChiba Lotte Marines
posted2024/05/08 11:03
お立ち台でポランコ(右)の喜びの言葉を訳すフェルナンデス通訳
4月28日、本拠地ZOZOマリンスタジアムで行われたイーグルス戦。マリーンズは連敗を7で止めた。お立ち台に2安打2打点1本塁打のグレゴリー・ポランコ外野手と先発をして2勝目を挙げた小島和哉投手が呼び込まれた。
通訳としてフェルナンデスにとって本拠地で初めてのヒーローインタビュー対応。大役を終えた後は「緊張しました」と、はにかんだでいたが、ベンチに戻ってきたポランコからは「めちゃくちゃ、いい訳だったよ。素晴らしい通訳だ」と声をかけられた。ポランコの発案で小島と3人で記念写真におさまったその様子は、何ともほほえましい光景だった。
ブラジルの野球振興に意欲
「大好きな野球の仕事が出来る。今はもう野球選手ではないけど、こうやってこの世界の一員であることはとても嬉しいです。人や映画との出会いがなければ今の自分はいないと思う」
ブラジル・サンパウロと日本の時差はちょうど12時間だ。日本が午前10時だと、向こうは午後10時。「わかりやすい。だから電話とかもしやすいです。昔は毎日、家族に電話をしていましたが今は1週間に1回ぐらいですね」と言う。
子供の時に偶然見た映画をキッカケに野球を知り、様々な縁に結ばれて地球の反対側でプロ野球選手となった。夢を叶え、今は通訳として大好きな野球に関わり続けている。7年ほど前には日本人女性と結婚して新しい家族ができ、息子と娘、2人の子供に恵まれた。
「ブラジルの人にもっと野球を知ってもらいたいという思いはある。なにかキッカケを作れたら」とフェルナンデス。情熱溢れる男は、マリーンズの助っ人選手をサポートしながら母国での野球振興にも取り組んでいく。