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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「このU-23日本代表はツキがあるね」ブラジル人記者が五輪決定に“日本人より大喜び”「フジタは誰が見てもMVP。ニシオ起用はチームも…」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNurPhoto/Getty Images
posted2024/05/03 17:02
イラク戦で五輪出場を決めて歓喜する藤田譲瑠チマと小久保玲央ブライアン、高井幸大ら。ブラジル人記者も手放しでほめちぎった
「この大会でまだ得点のない藤尾翔太(町田ゼルビア)と佐藤恵允(ブレーメン)。藤尾の場合は、準々決勝のカタール戦で決定機を二度外したのが精神的に響いているのかな。今大会、日本の選手はミスをしても下を向かず、がむしゃらにプレーしてミスを帳消しにする逞しさを発揮してきた。藤尾にも、決勝でここまでの借りを返してもらいたい」
――ただ、藤尾がゴールを決められなかったせいでカタール戦は延長へもつれ込み、それまで不振だった細谷と内野航太郎(筑波大)が得点する、という“ご利益”がありました。
「そうなんだよね。GSで韓国に敗れたお陰で手強いインドネシアを回避でき、藤尾が決め損ねたお陰で細谷が目を覚ました。この大会、日本にはツキがあるね(笑)」
西尾投入はチームの団結を高めるためだろう
――試合終盤、大岩監督はGS中国戦の前半17分に相手選手の挑発に乗って肘打ちを見舞い、退場処分を受けてチームを窮地に陥れた西尾隆矢(セレッソ大阪)を投入。左SBのポジションで起用して逃げ切りを図りました。守備の選手では鈴木海音(ジュビロ磐田)もいたのですが、監督があえて西尾を入れたのはなぜだと思いますか?
「チームの団結を高めるためだろうね。彼がプレーしたのはほんの数分で、今度は何も起こらなかったのは幸いだった(笑)。監督が西尾を起用したことは、彼自身にとってもチームにとってもプラスになったと思う」
――西尾のパリ五輪最終メンバー入りは厳しいでしょうか?
「いや、そんなことはないと思うよ。DFにはオーバーエイジの選手が入る可能性が高いから競争が激化するけれど、今後、クラブで良いプレーを続ければパリへ行ける可能性は残されていると思う」
休養日が1日多かったというアドバンテージとイラクの守備戦術の失敗があったとはいえ、日本は順当に勝利を収めた。次に、決勝で対戦するウズベキスタン、そしてパリ五輪本戦に選出されそうなメンバーについて彼の分析を聞くと、このように切り出した。
「数字だけ比べたら、ウズベキスタンが圧倒的に有利だね。でも……」
<つづきは第2回>