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熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
韓国悪夢の五輪消滅「インドネシアが90分で勝利でも…」ブラジル人記者が見る“アジア新勢力図”「イラク戦はU-23日本が優位」の根拠は?
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byNurPhoto/Getty Images
posted2024/04/29 17:03
韓国が五輪出場権を逃した衝撃の一戦だが、進境著しいインドネシアにもブラジル人記者は注目していた
「今度は中3日の試合だし、基本的にはカタール戦と同じだと思う。唯一、変更があるとしたら左ウイングで佐藤ではなく平河を起用するんじゃないかな」
――日本に期待することは?
「守備陣は、高井幸大(川崎フロンターレ)、木村を中心に安定している。ただし、セットプレーからの失点は何が何でも防ぎたい。藤田譲瑠チマ(シント・トロイデン=ベルギー)、松木玖生(FC東京)らの中盤は、攻守に貢献していて頼もしい。攻撃陣では、山田の精巧な左足に期待したいし、アタッカーたちに点を取ってもらいたい」
細谷はもちろん藤尾、平河、佐藤にも期待したい
――準々決勝で大会初得点をあげた細谷真大は、この試合でも活躍するでしょうか?
「彼が点を取ったのは、本人にとってもチームにとっても非常に重要だった。とはいえ、彼をはじめとするアタッカーたちが決定機を確実に決めてくれていたら、日本はすべての試合でもっと簡単に勝てていた。皆、能力は高い。細谷にも、カタール戦でミスをした藤尾にも、やはりまだ得点のない平河、佐藤にも期待をしている」
――GS中国戦で退場処分を受けた西尾の出場停止が解けました。彼の使い方は?
「大岩監督は、CBに関してはこれまで通り高井、木村、鈴木海音(ジュビロ磐田)で回すんじゃないかな。西尾は最後のオプションになると思う」
――日本の勝算は?
「日本は、準々決勝で25日、それも最初に試合をした。逆に、イラクは26日の準々決勝最後の試合であり、日本の方が1日余り休養時間は長い。しかも、日本はこれまでの試合で選手のローテーションを行なってきたけれど、イラクは先発メンバーをあまり変えていない。疲労が蓄積している選手が多いはずで、日本はフィジカルコンディションで優位にある。序盤に先制点を奪い、その後は試合をしっかりコントロールして、自分たちのペースで試合を進めたい。厳しい試合になるのは間違いないけれど、十分に勝てると思うよ」
VARは…西尾が教訓を示してくれたから大丈夫
――準々決勝では、4試合すべてで退場者が1人ずつ出ました。このうち、VARで退場に至ったのが3人。そして、退場者を出したチームがすべて負けています。
「これまでなら見過ごされていたはずのラフプレーが、VARによって厳しく処罰され、試合の内容と結果を大きく左右している。だからこそ、日本は絶対に退場者を出してはならない。日本の選手はクレバーで、感情のコントロールができる。それに、GS中国戦で西尾が身をもって貴重な教訓を示してくれたから、大丈夫だと思うけどね(笑)」
準々決勝までの4試合で、日本が持てる力を存分に発揮して快勝した試合は一つもない。この大会で最も重要な試合となる準決勝で最高の試合をして、堂々とパリ行きを決めてもらいたい。
<第1回からつづく>