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「タケ、好きだけど少し疲れてるのかな」“サブ続き”久保建英に少年ファンがホンネも…“マドリー戦で完全復調”をカメラマンが期待するワケ
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2024/04/26 17:29
ヘタフェ戦で途中出場した久保建英。マドリーなど3強との戦いを残すが、来季欧州戦線の出場権確保のためには今こそ彼の力が必要となる
縦に速い攻撃だった。
最後尾のCBロビン・ル・ノルマンから中盤アルセン・ザハリャン、さらに久保に代わって右サイドで先発のシェラルド ベッカーへ鋭いパスをつなぐ。ベッカーのクロスには、逆サイドから走り込んだバレネチェアが滑り込みながら頭で合わせゴールへ突き刺した。
しかしホームチームのヘタフェも前半29分、オスカル・ロドリゲスのゴールで同点に追いつく。サイドからのクロスに高い打点で合わせたヘディングシュートは、ソシエダGKアレックス・レミロに弾かれたが、ロドリゲスが詰めた。一度はこのシュートも弾き出されプレーが続いたが、すんでのところでゴールラインを割っておりゴールが認められた。
直後から久保がピッチサイドでアップを開始、後半開始からの起用が予想される――そんなタイミングだった。久保はにこやかにラインズマンに話しかけ、彼に笑み(もしくは苦笑?)を浮かべさせるほどにはリラックスした雰囲気を漂わせていた。
ピッチに入るとチャンス創出の期待感にあふれたが
前半最終盤には、ザハリャンが決定機を作り出したがゴールを決め切ることはできず、頭を抱えながらロッカーへ。その際に久保は、かつて所属したヘタフェのスタッフらとの再会を果たし、挨拶を交わす様子があった。
ハーフタイム、ピッチ上でアップした久保は早めに切り上げ、後半頭からの出場の準備に入る。そして指揮官イマノルは、久保、オドリオソラの2枚替えを決行した。なお久保と交代のバレネチェアは、前半途中から目眩などの症状が起きていたという。
右サイドに入った久保は、厳しいプレッシャーにもボールを奪われることなく、縦への突破、逆サイドへの展開と不調を感じさせず、ボールを持つとチャンスを生み出す、そんな期待感が高まるプレーを披露した。ただパスコースを封じられると、ボールを受けること自体が難しくなっていった。
久保の決定機創出→シュート枠外に思わず…
さらにソシエダは、ヘタフェのフリーキックなどから決定機を作られ始めると、システムを3バックへと変更。両サイドバックを押し上げると共に、久保をトップ下へ配置、前線に長身FWのウマル・サディクを投入。
途中出場の久保ですらこの戦術変更は“眉唾もの”だったのか、ベンチへ向かい自身を指差しながら確認を取るような姿もあり、ベンチでの慌ただしい采配を伺わせた。