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大谷翔平“1545万円級”HRボールでモメたファンは返却→オオタニと会えて笑顔、176号は交渉が順調なら…“殿堂行き”か〈メジャー記念球事情〉
text by
AkiAki
photograph byUSA TODAY Sports/REUTERS/AFLO
posted2024/04/23 17:14
メジャー通算176本塁打を達成した大谷翔平。ホームランボールが様々な話題を呼んでいる
何らかの記録――例えば3000本安打や500号ホームランなど――がかかった選手の打席で刻印入りの公式球が使用される。この目的はスタンドに入った際にボールを識別するため。パドレス戦でもマチャドのホームランボールを手にしたドジャースファンが〈すり替えた手持ちのボールをスタンドから投げ返す〉というユーモラスな場面があったが、記念球においてこのような事態が起こっても、判別できるようにするためである。
過去のケースで言えば、デレク・ジーター氏とイチロー氏の3000安打ではそれぞれのイニシャルである「J」と「I」、そして数字の刻印が入れられ、実際にイチロー氏は「I/8」のボールで達成している。
大谷の175号は「S/1」のボールとなったが、ボールは複数存在し、番号順ではなくランダムに使用される。そして同じ刻印は1球しか存在しない。刻印以外にもブラックライトのようなもので当てれば見られる〈独特のマーク〉が存在するそうだが、この特定の液体と光は秘密事項となっており、容易に偽造できない仕組みとなっている。
あらためて強調しておきたいのは、大谷の175号、176号用の刻印球はMLB機構が準備したものである。175号の「S/1」はキャッチしたファンが大切に保有する、とのことで、大谷自身も返却を求めていない。MLB側は〈記録が掛かった試合での刻印球の使用は当然〉と捉えていたと推測するが、今後は試合毎にしっかりと相手チーム監督・選手に周知していくべきだろう。
交渉が順調に進めば176号は“野球の殿堂博物館”に…
そして日本時間4月22日の朝5時50分に、大谷は176号ホームランを放った。週初めの月曜早朝ということでリアルタイムで見られたファンも少ないかもしれない(実際、筆者も歴史的瞬間に40分遅刻してしまった……)。
キャッチしたファンはメジャー初観戦の方だったようだ。刻印球は名前の頭文字と異なる「E/6」、175号でSを使用したので「SHOHEI」の頭文字をランダムで使用した形だろうか。そしてこのファンは一旦ボールをキープして後日、球団と交渉にあたるとの報道がなされている。
今後、この歴史的なホームランボールの行方はどうなるのか。