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「人生、面白くないですよ」“スターダムのアイコン”岩谷麻優が憂鬱そうに…Sareee戦前に漂わせた“不穏な気配”「普通の試合にはならない」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2024/04/21 11:04
4月27日にIWGP女子王座戦を控え、どこか物憂げな岩谷麻優。挑戦者Sareeeを迎え撃つにあたり「普通の試合にだけはならない」と予告した
こんな時の岩谷麻優は何をするかわからない
岩谷はIWGP女子初代王者になれなかった悔しさをいまだに噛みしめている。
昨年4月、横浜アリーナでメルセデス・モネを倒して第3代王者になってからは、8月に林下詩美、11月にアメリカでステファニー・バッケル、今年に入って1月に朱里、2月には新日本プロレスのリングで白川未奈と、難敵を相手に防衛を続けてきた。今回が岩谷にとって5度目の防衛戦になる。
1月には「アントニオ猪木」の名前を口にした朱里と壮絶な試合をしたが、今度は「闘魂」を掲げているSareeeだ。まるで女・猪木からの挟み撃ちのような状況だが、岩谷がどんな戦いをするのか、興味は尽きない。
岩谷の半生を描いた映画『家出レスラー』の全国公開も5月17日に近づいている。横浜BUNTAIのプロレスこけら落とし興行『ALL STAR GRAND QUEENDOM 2024』には『家出レスラー』の冠がついている。ブシロードの自社映画とはいえ、岩谷麻優のための大会とも言える。
「一番目立たないといけないですね」と岩谷は笑った。
岩谷は自らの映画を紹介する生配信のスピーチで「ポンコツ映画」と口にしてしまう相変わらずのポンコツぶりだが、どこかメランコリックな雰囲気も漂わせている。こんな時の岩谷は何をするかわからない。
Sareee戦を前に「怖い」と言っている岩谷が、むしろ「すごく怖い岩谷麻優」を横浜BUNTAIで見せてくれるのかもしれない。