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「人生、面白くないですよ」“スターダムのアイコン”岩谷麻優が憂鬱そうに…Sareee戦前に漂わせた“不穏な気配”「普通の試合にはならない」
posted2024/04/21 11:04
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
「人生、面白くないですよ」
スターダムの岩谷麻優は憂鬱そうにふとそんな言葉を口にした。
「今、楽しくない。メンタル的には地を這って生きているという感じです。なんででしょうね。わからないですけど……。ハッピー、ハッピー、人生楽しいね、という感じではない。でも、がんばって生き抜いています」
「最高の、最低の…」記者会見で引っかかった言葉
岩谷は4月27日、横浜BUNTAIでのIWGP女子王座戦が近づいている。相手は太陽神Sareeeだ。今の岩谷だと、陰vs陽ともいえる戦いになってしまう。
本来ならこのシングルマッチは赤いベルト(ワールド・オブ・スターダム王座)戦として、4年前の2020年2月8日に後楽園ホールで行われているはずだった。それが前日、Sareeeが病気ということで突然キャンセルされてしまった。
「対戦前日に『できません』って。びっくり。そして、怒り、どうしよう、という思いでした。結果、(彩羽)匠といい試合ができた。でも、ファンの皆様からはことあるごとに『Sareeeとの試合が見たい』と言われてきました。今回は前日にキャンセルしないでくださいね。4年経って、互いに経験を積んでいるので、自分らにしかできない試合ができればと思っています」
岩谷は続ける。
「自分たちがどういう戦いをするのか、最後にどっちが立っているのか、それをちゃんと見届けてほしいです。もちろん、Sareeeに負けるつもりはないし、この防衛戦は、まだまだ通過点。これからこの先もずっと、このIWGPは自分の腰にある。そう信じて戦います」
だが筆者は、岩谷が記者会見で発した「最高の、いや、最低の? どんな試合になるかわからない」という言葉が引っかかった。
「かみ合うかどうかわからない。(Sareeeは)苦手な相手というか、ハードヒッター。全力を出していい試合になるのか。ダメだったねえ、まったくかみ合わなかったね、となってしまうのか。どっちにもなる可能性がある。でも、普通の試合にだけはならない」