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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
大学入学予定→独立リーグに進路変更、DeNA山本祐大が明かす“外野手だった”野球人生「後悔もあります。だからこそ…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/04/22 11:03
じつは大学に進学予定も独立リーグ入りし、NPBの選手となった山本祐大。高校時代は外野手だった野球人生を本人が振り返った
「いや、僕がなにをしたというわけではないんですけど、能力の高い大学生と組ませてもらったり、各チームの主力のピッチャーのボールを受けさせてもらって、シンプルに楽しかったんですよ。ボールを受けている時間がすごく幸せだったので、改めて野球が好きなんだなって感じられた瞬間でもありました。また11月に試合(WBSCプレミア12)があると聞いているので、そのメンバーに入りたいという気持ちが強くなりました」
山本は野球への愛を滲ませ、笑顔でそう語った。
“京都のドカベン”との出会い
山本の野球への姿勢を見ていると“生涯一捕手”という言葉を想起する。いかにして捕手としてこの世界を生き抜くのか常に考え、実践しているように感じられる。山本が捕手になったのは中学生の時だ。初めはやる人間がいなかったので、やむを得ずだったというが、京都翔英高校へ進学すると意識が変わった。投手の能力ばかりでなく、捕手の采配で試合に勝てることを知ったからだった。
だが捕手として頑張っていこう思った矢先、ある壁が出現する。それは同学年で高校通算42本塁打を放ち“京都のドカベン”と呼ばれた石原彪の存在だ。石原は2016年のドラフト会議で楽天から指名されており、山本は正捕手の座を奪うことができず、外野手として甲子園に出場している。
「当時は自分もキャッチャーだ、という意識が強かったんですけど、石原が目の前でプロに進むという現実は嬉しくもあり、また目指すべき場所に先に行かれてしまってすごく悔しかったんですよ。この経験が、僕のキャッチャーへの気持ちを強くさせたし、より上を目指そうと思えた瞬間でした」