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ハマ街ダイアリーBACK NUMBER
大学入学予定→独立リーグに進路変更、DeNA山本祐大が明かす“外野手だった”野球人生「後悔もあります。だからこそ…」
text by
石塚隆Takashi Ishizuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/04/22 11:03
じつは大学に進学予定も独立リーグ入りし、NPBの選手となった山本祐大。高校時代は外野手だった野球人生を本人が振り返った
大学進学予定もプロを目指し、独立リーグへ
2017年、山本は大学への進学を予定していたが、入学前の練習に参加すると、わずか3日で実家に引き上げてしまった。人間関係は良好ではあったが、山本の中で「ここではない」という気持ちが強く働いた決断だった。その後、山本はBCリーグの滋賀ユナイテッドベースボールクラブに入団すると、捕手として目覚ましい活躍を見せ、この年のドラフト会議で9位指名されプロになった。
この決断のスピードと、思いを貫き行動できる突破力が、運命を引き寄せた。
「自分を貫いたことは良かったと思うんですけど、今となっては頑固すぎるのも良くないなって思っているんです。僕は非常に頑固な性格で、そういった面では自分に嘘をつかなくて良かったなと思っていますが……」
山本は苦笑しつつ、複雑な表情を見せた。
もしあの時に戻れるとしたら…
「もう少し頑固な気持ちを抑えていれば、もっといい野球人生というか、周りの人に迷惑をかけなかったんじゃないかと考えるんです。大学に入らせて頂けたのに当時は自分の気持ちだけを優先してしまい、そこに後悔もあります。もちろん今は、自分が選んだ道が正しかったと思っていますが、もしあの時に戻れるとしたら、もっと柔軟な考えを持つべきなのかなと感じるんです。だから今は、どこかその後悔を埋めるためにも、より良い舞台で活躍しなければいけないという気持ちが強いんです」
人生に“たら・れば”はなく、生きていく上で枝分かれする選択肢に対し、選ばなかった道がどうなっていたかを知る由はない。ただ現実として今あるのは、DeNAにとって欠かすことのできない捕手として、山本が存在していることだけだ。