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《衝撃動画》前田日明ブチギレ“伝説の控え室ボコボコ事件”…“被害者”坂田亘の対戦相手は何者だった? 本人が証言「前田さんにホメられた話」
posted2024/04/21 11:02
text by
細田昌志Masashi Hosoda
photograph by
Tokyo Sports
◆◆◆
「コレでやらせてやる」
「新団体が出来るんだ。それも世界格闘技連合だぞ。凄いだろう、来ないか?」
元FMWのスタッフである関係者の誘い文句に、この時期、昼間は肉体労働に従事し、夜は木口道場で練習に励んでいた19歳の鶴巻伸洋は即答した。
「はい、行きます」
すると、関係者はこうも言った。
「よし、決まりだ。お前のデビュー戦はムエタイのチャンピオンとコレでやらせてやる」
「ほ、本当ですか」
「コレ」とは「リアルファイト」という意味である。
このとき、鶴巻が入団を決意した「世界格闘技連合」とは、かつてFMWの代表だった大迫和義、レフェリーの川並政嗣、リングアナウンサーの大宝拓治、渉外担当の茨城清志によって立ち上がった新団体であり、程なくして「W☆ING」という、プロレス史に残るデスマッチ団体に変質する。ただし、当初はUWFスタイルを標榜した格闘技系プロレス団体として立ち上がったのだ。
「水を飲むんじゃねえ」
「このとき、前年までFMWに参戦していた徳田光輝さんと、サブミッション・アーツ・レスリングの主力選手の木村浩一郎さん、誠心会館の空手家の齋藤彰俊さんによる『格闘三兄弟』が団体のエースでした。それ以外には、結局デビューはしなかったけど、猿川さんが『力王』っていうリングネームを付けられたし、猿川さんの高校の同級生の臼田勝美さんと、FMW時代の半年先輩の三宅綾と、僕が新入団という扱いになったんです」
デビュー戦が予定されていた1991年8月の旗揚げ戦は怪我のため出場出来なかった鶴巻だが、9月の第2戦には出場している。ただし、相手はムエタイのチャンピオンではない。三宅綾と組んで、巨漢黒人プロレスラー・ヘッドハンターズとのタッグマッチである。