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「本当に最後なので、もう1回だけ…」“ギャンブル依存症”水原容疑者の懇願、そのとき大谷翔平は…何故もう一歩踏み込まなかったのか?
text by
及川彩子Ayako Oikawa
photograph byJIJI PRESS
posted2024/04/15 17:02
銀行詐欺の疑いで訴追された水原一平容疑者(右)。米司法省の起訴状には「被害者はMLBのスター大谷翔平」と記されていた
「最後にもう一回だけ。もう一回だけでいいのでお願いします」
「本当にこれが最後なので、もう一回だけお願いします」
こういった懇願はギャンブル依存症者特有のものなのだろうか。一方で胴元の返信は水原氏を弄び、手のひらで転がすようなものだ。
この一連のやりとりが、大谷が球場で奮闘している裏で行われていたのだ。
昨季の前半、大谷選手はチームの柱として投打で大活躍をしていた。エンゼルスでなんとかプレーオフに進出を果たしたいという気迫がこもった姿を見せていた。
しかしオールスター後の7月末に脇腹を、8月23日には右肘内側側副靭帯を痛め、9月3日の試合を最後にシーズンを終了するという残念な結果に終わっている。
二人三脚で戦っているように思われたが、見ている景色、目指していた場所は違っていたように思えてならない。
大谷は変わらないといけないのか
この事件が発覚してから、何度となく「大谷は成長しないといけない」「もっと英語を勉強しろ」というような記事や意見を目にした。
果たしてそうなのだろうか。
まず水原氏がアクセスしていた大谷選手の口座は、エンゼルスからの給与受け取りに使われていたが、入団した2018年から2021年10月27日までオンラインで口座にアクセスした形跡は残っていない、と起訴状に書かれてあった。