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「大阪桐蔭のセンバツ演奏…本当に高校生?」「仕事を調整、北海道から駆けつけた…」ブラバン研究家が本音で選ぶ“心が震えた応援”7校
posted2024/03/30 19:00
text by
梅津有希子Yukiko Umetsu
photograph by
Yukiko Umetsu
季節外れの雪が降るなど、とにかく寒かった今年のセンバツ。例年にない厳しい冷え込みのせいか、空席が目立つ日もあったものの、連日熱戦を後押しするアルプススタンドの熱気は健在だった。
激減した『盛り上がりが足りない』
昨夏、49校のうち32校が応援に取り入れ、大流行した「盛り上がりが足りない」コールはすっかり息をひそめ、今大会でやっていたのはわずか3校。早くも飽きてしまったのか、寒すぎて盛り上がりきれなかったのか、真実はわからなかったものの、今回も多くの名応援でスタンドがひとつになっていた。なかでも、特に印象に残った応援を紹介したい。
本当に高校生? やはりスゴい「大阪桐蔭」
近年、野球部や吹奏楽部が応援曲を選ぶ理由として、圧倒的に多いのが、「TikTokでバズっていた」「SNSで見て気に入った」という声だ。
「TikTokでバズっていた」応援をいち早く演奏したのは、やはり流行に敏感な大阪桐蔭(大阪)。昨年の全日本吹奏楽コンクールで金賞を受賞した名門吹奏楽部だが、出場するたびに新曲を披露するのを楽しみにしているファンも多いのではないだろうか。今回、ネットでも大きな話題になった応援が、通称「猫ミーム」。さまざまな猫写真などを使用した切り抜き動画「猫ミーム」のBGMとして使われている『Dubidubidu』という曲で、「チピチピチャパチャパ」というキャッチーなフレーズ部分を応援曲に採用した。
同校は今回、Creepy Nutsの「Bling-Bang-Bang-Born」も演奏。リリースから約1カ月で全世界でのストリーミング累計1億回再生を突破した話題曲で、アップテンポな曲調でアルプス全体を盛り上げていた。