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りくりゅう世界選手権銀メダル「2人とも精神的に成長できたな」珍しくネガティブな木原龍一を三浦璃来は励ました「あなたは…できるんだよ!」
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAFLO
posted2024/03/30 11:05
世界選手権で銀メダルを獲得した三浦璃来&木原龍一の“りくりゅう”ペア
「もう1試合あれば80点台に行けたね!」
「四大陸選手権のあとの6週間、良い練習を積み重ねていたので自信はありました。シーズン初戦が59.13点だったのを考えると、今できるベストを出せたと思います」(木原)
すると三浦が冗談めかす。
「50、60、70だ!」
すかさず木原も返した。
「もう1試合あれば80点台に行けたね!」
笑顔のやり取りが、好調ぶりを物語っていた。
会見では、ホスト国であるカナダへの感謝も述べた。
「僕たちは、2019年からカナダを拠点に練習してきていて、カナダをホームだと思っています。温かい応援を受けて、今日は楽しく演技させていただきました」(木原)
カナダの好きなところは?と聞かれると、2人で目を合わせ、相談しながら答える。
「道が広いこと、人々が温かいこと」(木原)
「プティンがおいしい」(三浦)
「モントリオールの名物のプティンのことです」(木原)
「おすすめです」(三浦)
「スケートじゃないものばっかり(笑)。あとは、素晴らしいリンクがたくさんあることと、素晴らしいチームメイトにも恵まれているので、カナダ大好きです」(木原)
プティンは、フライドポテトにグレイビーソースとチーズをたっぷりかけたファーストフード。見るからに高カロリーで、シーズン中に気軽に食べられるはずもない。試合後の “ごほうび”なのかな、と感じさせた。
フリーは、プログラムを五輪シーズンの『Woman』に戻して挑んだ。フリーの今季のプログラムはほとんど練習できていなかったことから、滑り込んでいた過去のプログラムに戻し、練習時間をショートに集中させる作戦をとったのだ。
「『Woman』は、僕たちが世界で戦う自信が確かなものになったプログラム。積み重ねてきたものを信じてやりたい」(木原)
僕たちのことを好きになってもらいたい
迎えたフリー本番。優勝したカナダペアの直後の演技となった。興奮冷めやらぬ空気感のなかリンクに立ったが、アウェイ感は一切なかった。