バレーボールPRESSBACK NUMBER

「甲斐、エグいです」男子バレー宮浦健人も絶賛する20歳甲斐優斗の成長が止まらない「日本に帰ったら、みんなびっくりすると思います」 

text by

田中夕子

田中夕子Yuko Tanaka

PROFILE

photograph byTakahisa Hirano

posted2024/03/20 11:03

「甲斐、エグいです」男子バレー宮浦健人も絶賛する20歳甲斐優斗の成長が止まらない「日本に帰ったら、みんなびっくりすると思います」<Number Web> photograph by Takahisa Hirano

フランス挑戦中の甲斐優斗(専修大/20歳)。身長2mの高さだけでなく力強さも目立ち、同じパリ・バレー所属の宮浦健人(右)も驚きを隠せなかった

 シーズン途中での加入だったことでレギュラーメンバーに入るまではいかないが、状況に応じてアウトサイドヒッターとオポジットを器用にこなす。セット終盤にはリリーフサーバーとして起用され、2月10日のモンペリエ戦では甲斐のサーブからブレイクを重ねて第2セットを奪取し、チームは勢いそのままプレーオフ争いを繰り広げる相手にストレートで勝利した。

 もともとサーブ力には定評があったが、前述の通り、スパイクの威力と迫力が増した。日本とは異なり、週に1試合が基本となる欧州リーグでは、シーズン中もウェイトトレーニングの比重が高い。その成果がパワーやスピード、打球の重さに反映されていた。ゲーム形式の練習時、甲斐のスパイクを胸のあたりで受けた選手が痛みをアピールしていたのも、決して大げさなアクションではなかった。

「どこでも生きていけるな、と(笑)」

 パワーアップした筋力はジャンプにも活かされ、身長2mを誇る甲斐の武器である高さはフランスでも威力を発揮していた。相手のブロックに当てたり空いたコースを抜くだけでなく、ブロックの上から打つシーンが増え、間違いなく攻撃の幅が広がったように思える。しかし、当の本人は、「誰が相手だろうとブロックはそんなに気にならない」らしい。

「シャット(アウト)されたとしても、すぐ切り替えられるから嫌じゃないんです。むしろ、レシーブで拾われるほうが嫌だし、“次はどうしよう”と気になる。どシャットのほうが気は楽です」

 私生活と同様にコート上でも常に飄々としていて、感情を露わにすることはほとんどない。感情表現が激しい異国の地でもそれは変わることはない。

「基本、自分は自分のまま、とにかくマイペースなので。来てみたらどこにいても、今までと変わらず生きていけるな、と実感しています(笑)」

【次ページ】 「夜は21時に寝る」「学年末テスト受けました」

BACK 1 2 3 4 NEXT
甲斐優斗
宮浦健人
石川祐希
高橋藍
大塚達宣
富田将馬
高梨健太
デ・アルマス アライン
パリ・バレー
オリンピック・パラリンピック
パリ五輪

バレーボールの前後の記事

ページトップ