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「甲斐、エグいです」男子バレー宮浦健人も絶賛する20歳甲斐優斗の成長が止まらない「日本に帰ったら、みんなびっくりすると思います」
text by
田中夕子Yuko Tanaka
photograph byTakahisa Hirano
posted2024/03/20 11:03
フランス挑戦中の甲斐優斗(専修大/20歳)。身長2mの高さだけでなく力強さも目立ち、同じパリ・バレー所属の宮浦健人(右)も驚きを隠せなかった
2022年に初めて日本代表メンバーに登録されると、昨年の五輪予選では主にリリーフサーバーとして出場機会を得た。たちまち次世代を牽引する立場となったが、「海外に行きたい」と本人から聞いたことはなく、むしろ昨年12月に兄・孝太郎と共に出場した全日本インカレを終えた後は「やっと休みになるので年末年始は(実家がある)宮崎に帰れる」と言っていたほどだった。
甲斐の生活が一変したのは、インカレから数週間が過ぎた12月中旬。自身はもちろん、日本代表の強化にもつながるという観点から、大学の試合がない4カ月余りの期間を使って海外チームかVリーグのチームの活動に参加したほうがいいのではないかという提案を受けた。
当初は「言葉もできないし、自分に海外は無理だと思っていた」と話していたが、フィリップ・ブラン監督や南部正司・男子日本代表強化委員長、専修大・吉岡達仁監督の協力と賛同を得て、フランスへの挑戦が実現した。
石川祐希や高橋藍とは異なる“経路”
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中央大時代に自身が望む形で渡欧した石川祐希や、その後を追う形で日体大に籍を残しながらイタリアでプレーすることを選んだ高橋藍のケースとは少し異なる。甲斐にとっても急転直下の海外挑戦ではあったが、その選択が正しかったということはパリ・バレーでのプレーを見れば明らかだった。