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大谷翔平の“元同僚から”愛されすぎな日常…オープン戦での幸せハグ、ウォードが語っていた“奇抜なオオタニ評”「たくさんの思い出がある」
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph by日刊スポーツ/アフロ
posted2024/03/17 17:06
ドジャースvsエンゼルスのオープン戦にて、再会を喜ぶ大谷翔平と水原通訳、テーラー・ウォード
かつてウォードが残した“奇抜な大谷評”
大谷はエンゼルスに在籍していた6年間、多くのチームメートとの交流が話題になった。コンビ名「トラウタニ」が定着したマイク・トラウト外野手はもちろん、パトリック・サンドバル投手や、フィリーズに移籍したブランドン・マーシュ外野手らとのかけ合いは注目を集めた。一方で、どちらかと言えば、黙々とやるべきことに徹する選手のウォードとは目立った交流シーンは見られなかった。
ただ、ウォードはかつて奇抜なコメントを残したことがあった。昨年7月15日のアストロズ戦。33号本塁打を放った大谷の打球をネクストバッターズサークルで目撃し、「ボールの後ろから煙が見えた。信じられない。諦めずに、戦い続ける。あれで活気づいた」とコメントした。チームはこの試合で最大6点差を追いつき、延長サヨナラ勝ちを収めた。興奮冷めやらぬ様子で、大谷の本塁打を表現した姿が印象的だった。
「本当に煙が見えた?」本人に確認すると…
翌日、ふと疑問が湧いた。「煙が見えた」ということは、ボールをはじき返した時に起きた摩擦だったのだろうか。本当に煙が見えたかどうかをウォードに確認すると、少し苦笑いしながら「ノー」と答えが返ってきた。見えた訳ではなく、やはり本塁打のすさまじさを表現するためのリップサービスだった。当然か、とも感じたが、クールで穏やかな印象のウォードが発した言葉としては、やはり珍しいコメントだった。
15年のドラフト1巡目で指名され、大谷のメジャー1年目、18年8月14日にウォードはメジャーデビューした。同年の最終戦、サヨナラ本塁打で締めを飾った。22年には開幕直後の4月に1番打者で大ブレークし、大谷から「見ていて(打つ)雰囲気しかない。頼りになる1番」と称された。故障や不振など、互いに紆余曲折があった。大谷とともに過ごした6年間。チームが変わり、初めて会った時のウォードの喜びぶりが、2人の固い友好関係を物語っていた。