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「落ちぶれているつもりはないので!」巨人・菅野智之が初めて明かす覚悟〈不調、エースの看板、リリーフ転向論…〉完全復活への確かな手応え
posted2024/03/13 11:04
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph by
Nanae Suzuki
巨人のエースとして長きに渡り君臨してきた菅野智之投手にとり、昨シーズンはプロ入り以来、初めて味わった最大の蹉跌だったかもしれない。
「やっぱり年齢も重ねていますから。その点は自分の中でも認めています」
不本意だった1年
昨季は開幕直前に右肘の張りを訴え、プロ入り後初めて開幕をファームで迎えた。その後も二軍で調整を続けたが、一軍復帰できたのは、開幕から2カ月余も経った6月11日のソフトバンク戦だった。この試合は5回2失点でシーズン初白星をマークしたが、7月17日のヤクルト戦では1回もたずに6失点して、自身プロ最短KOも食らっている。
最終的に2023年シーズンは14試合の登板で4勝8敗。チームも2年連続のBクラスとなる4位に沈んでしまった。
そんな姿にかつての栄光を重ね合わせ、落胆したファンも多かったかもしれない。
「昔はどこかが痛かったり、思うように身体が動かなくなっていても、何となく試合を作れていた。でも最近はそうはいかない。野球自体のレベルも上がって、いまは7番、8番に外国人のバッターがいる時代ですから。そういう野球自体の進化の中で、僕がちょうど落ち目になってきたというのもあって……」
落ち目になってきた!
「エース戸郷」に思うこと
「まあまあここ数年ですね。でもいまはそうじゃないですよ。現在はそうじゃないけど、ちょうどそんな壁にぶつかったっていうのが、自分の中でのここ数年の感覚なんです」