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「記者の質問、たいしたことないな」日大アメフト部“悪質タックル”の元監督、内田正人がいま明かす騒動の渦中に感じていたこと 「後悔はある?」と問うと…
text by
齋藤裕Yu Saito
photograph byJIJI PRESS
posted2024/03/09 17:01
2018年、多くの社会的関心が集まった日本大学アメリカンフットボール部の悪質タックル問題。あの問題とは何だったのか、辞任した監督に聞いた
厳しいこと言えば、大学から離れて、別の弁護士つけてやるんであれば、大学を離れないといけないだろうと。正直、それが筋じゃないかと今でも思っています。
内田さん、記者会見やったら火だるまになっちゃうよ
――翌日、井上コーチと会見をしましたよね。この経緯を教えてください。
司会を務めた広報部の米倉(久邦)さんからは「内田さん、記者会見やったら火だるまになっちゃうよ」と止められました。でもこちらとしては何も隠すことはないし、言いたいこと言ったほうがいいんじゃないかと思って、打ち合わせなしでやりました。
唯一指導者として誇りたいのは、井上も僕も宮川の批判は一言も言ってないことです。
――予定の1時間半を過ぎても記者からの質問が止まりませんでした。
質問する人には失礼かもしれないけど、みんな同じこと言うだけなんですよ。スポーツを知らないな、質問たいしたことないな、と。要は指示をしたか、していなかったかということじゃないですか。この2択以外の3つ目、4つ目の観点の質問はなかった。これだったら2時間でも3時間でも大丈夫だなと。
――一方で複数の質問をしようとする記者に対して、司会者の米倉さんが「一問だけにしてください」と言い争いをする一幕もありました。
内心ラッキーと思いました。僕じゃなくて、米倉さんにマスコミの矛先が向かっていくのだろうなと冷静にとらえていました。
指導の中で「後悔はしない」
――第三者委員会の報告書でも「パワハラ」と認定されていましたけど、これはどう捉えていますか?
本人がパワハラだといったら、そういうことだと思います。その人が感じたら、そうなる、今はそういう時代じゃないですか。そう言われても仕方ないかもしれないですね。
――時間を戻せるとしたら、いつに戻りたいですか?
僕はよくOBに言うんですけど、自分の現役時代に戻って、甲子園ボウルを勝ちたいなと思うんですよ。今は勝ち方を知っているので、あの時に戻ったら選手として勝てる。
――ご自身の指導の中で、こうすればよかったかなという悔いはありませんか?
あれをしたら、これをしたらと言い出すと、選手を責めなくちゃならない部分も出ちゃうじゃないですか。だから僕は後悔はしないです。
――後悔はないとのことですが、大麻問題に関しては思うところがある、と。どういったところなんでしょうか?
<大麻問題編に続く>