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「あれは忘れられない…」阪神・岩崎優が今も悔やむ痛恨のマウンド…“タイトルが消えた”大竹は「岩崎さんが2日間、落ち込んでいたと聞いて…」

posted2024/03/06 11:02

 
「あれは忘れられない…」阪神・岩崎優が今も悔やむ痛恨のマウンド…“タイトルが消えた”大竹は「岩崎さんが2日間、落ち込んでいたと聞いて…」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki

岩崎は新シーズンに向け静かに牙を研ぐ

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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Nanae Suzuki

 阪神の守護神・岩崎優投手のインタビュー。後編はクローザーとして心に刻む「忘れられない試合」、新シーズン開幕を前に期する思いに迫った。(全2回の後編/前編も配信中)

 沖縄から「便り」がなければホッとする。阪神の必勝リレーの一角を担う岩崎優は2月の宜野座キャンプ中、大きな話題になることがなかった。昨季、60試合に投げて35セーブの防御率1.77。セーブ王に輝き、日本一の立役者なのに、ほとんど音沙汰がない。これがいい。主力はキャンプで目立たない。まさに無事是名馬である。

「真新しいことはしない」

 プロ11年目に入ったこの春も、丹念にストレートを磨き続けてきた。

「あんまり変えているところはないです。いつも、基本的には同じことを繰り返してきたタイプです。キャンプでも何か真新しいことはしないんです」

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 変わることは野球界でも美徳とされ、多くの選手が進化を求めて変化していく。だが、6月に33歳になるベテランはそういった世の風潮とは一線を画している。

「一番は性格だと思うんです。新しいことを採り入れるよりも、今、持っているものを磨くこと。新しいことをやろうとしてうまくいかない選手もたくさん見ている。変わる怖さがあります。うまくいかなかった時に変えればいいのかなと思います」

32歳の「生命線」

 岩崎は打者により近いところでボールを離せる「球持ちの良さ」が特長である。右足をグンと踏み込み、遅れて出てくる左腕をムチのようにしならせる。

「フォームが一番の自分の武器です。これがなくなってしまうと、ただ左から投げているピッチャーになってしまう。特長だけはなくさないように気をつけています」

 リリーフに転向してから、7年連続で40試合以上に投げる。生命線は背中だという。だから、肩甲骨周りの可動域のトレーニングを日々、怠らず、若い頃に比べると、体のケアにも時間を割くようになった。

【次ページ】 忘れられない大竹の言葉

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