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“理不尽にもほどがある”スケボー五輪代表争い…「仲はいいですけどね」「ムカつくけど最強」堀米雄斗の名を白井空良22歳があえて出す理由
text by
雨宮圭吾Keigo Amemiya
photograph byYuki Suenaga
posted2024/03/08 11:03
2023年12月スケートボード世界選手権での(右から)3位の堀米雄斗、優勝の白井空良、2位の根附海龍。五輪代表争いは“理不尽”ながら熱を帯びる
そんな肝煎りの大会を盛り上げるべく、IOCはナイジャ・ヒューストンのようなビッグネームを確保したかったのか、もしくは下位の国の選手によっぽど逆転の芽を残したかったのか、ともかく悪徳テレビプロデューサーもびっくりの大胆なポイント配分がなされることになった。
しかも、このポイント配分が発表されたのは昨年12月の世界選手権のとき。白井のスタッフは試合までは選手の集中を途切れさせまいとこのことを伝えられず、試合が終わったら終わったで優勝して大喜びする本人の気持ちをおもんぱかって、なかなか事実を告げられなかったという。それはそうだろう。世界選手権の優勝ポイントは80000点。これはOQSのいずれかの大会で8位となった場合(87278点)よりも低い。
「もう政治的すぎるんで何も考えないようにしています」
白井は苦笑しながら言った。ぐじぐじと引きずっていては今後の大会にも支障が出ると無理やり気持ちを切り替えているようにも見えた。
日本代表争いは現時点で“堀米雄斗が圏外”に
確かに理不尽さに気を取られている暇がないほど、スケートボード男子ストリートの代表争いは混戦模様だ。オリンピック出場権を得られるのは各国最大3人までだが、オリンピック予選レースのランキングでは日本勢がトップ10のうち半数を占めている。
2位:白井空良/150990点
5位:小野寺吟雲/104475点
6位:根附海龍/99809点
7位:堀米雄斗/96759点
10位:佐々木音憧/79687点
17位:青木勇貴斗/46383点
現状では前回金メダリストの堀米雄斗も圏外。お家芸と呼ばれた柔道さながら、本番でメダルを獲るよりも日本代表になる方が難しいかもしれない。
台頭する年下選手のスゴさは「ミスらないんですよ」
若い選手が次々に台頭してくるため、22歳の白井ですらすでに下から突き上げられる立場になっている。「もうあいつら、いなくなってほしいですよ」という嘆きは半分冗談、半分は本気だろう。