2人はその後、話し合いで和解したというが、韓国メディアによればベテランの選手たちがクリンスマン監督に「イ・ガンインを出さないでほしい」と直訴したという話もあるほど。しかし、クリンスマン監督はイ・ガンインをヨルダン戦に起用している。

　さらに、選手たちがもめている現場に居合わせたというクリンスマン監督は「この時の状況をすべて見ていたが、特に口出しはしなかった」（OSEN）という。選手同士での解決を待つのも理解できるが、この状況だと「チームの規律を立て直す役割を果たせなかった」と見られても仕方がないかもしれない。

イ・ガンイン謝罪も騒動は収まらず……

　騒動が収まらない事態を重く見たイ・ガンインは、自身のインスタグラムで謝罪文を掲載。以下はその投稿だ。

「アジアカップ4強を前にソン・フンミンさんと口論になったという報道がありました。いつも代表チームを応援してくれるサッカーファンには大きな失望を与えてしまいました。申し訳ありません。私が先輩の言うことをよく聞いて行動しないといけなかったのに、失望したファンのみなさまに申し訳ない気持ちでいっぱいです。私に失望された方々にお詫びいたします。今後、先輩たちを助けながらもっといい選手、いい人間になれるように努力します」

　しかし、それでもファンの怒りは収まらないのか、イ・ガンインがフリーのソン・フンミンにパスを出さずに失点シーンにつながったヨルダン戦の映像をSNSなどに投稿。『マイデイリー』も「衝撃的なヨルダン戦の顛末」という見出しで、こう報じた。

「ヨルダン戦では、ソン・フンミンがもっともパス（10回）を出したチームメイトはイ・ガンインだった。しかし、イ・ガンインはソンに前半は1度もパスをしなかった。後半は3回パスしていたが、ペナルティエリア付近でのパスは1回のみ。イ・ガンインはソン・フンミンへのパスに消極的だった」

　各メディアも、互いのインスタグラムに「いいね」をつけない様子を報じるなど、不仲の原因探しに躍起になっている。

クリンスマン監督解任の契機となった“内紛騒動”を起こしてしまったイ・ガンイン（22歳）。謝罪コメントを出し、再起を誓ったが…　©︎Getty Images

　また、イ・ガンインを「代表から下ろせ」という声が多く上がっており、チョン会長も処遇を議論する意向を示した。広告の契約解除を検討する企業も出てきており、騒動の余波はまだ続きそうだ。

【次ページ】　今考えれば、敗退後のコメントでも……