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イラン主将「前半は…あえてね。目論み通りだ」アジア杯取材・英国記者だけが知る“日本代表攻略法”の証言「史上最強説は危険だった」
text by
マイケル・チャーチMichael Church
photograph byMutsu Kawamori
posted2024/02/10 17:01
三笘薫とデュエルするイラン主将ジャハンバフシュ。決勝PKを決めた彼の言葉から“イランの戦略”がクッキリとわかる
中盤のダイナミズムが足りなかったので、個人的には田中碧がいれば、違ったように思えた。それからイラン戦では、板倉滉を遅くともハーフタイムには交代させるべきだった。町田浩樹を最後まで投入しなかったことには、大いに驚かされた。
また世界一を目指すのはいいが、それをことあるごとに公言する必要はないだろう。
欧州や南米のW杯優勝経験国の選手や監督たちが、そんなコメントを発するのは実に稀だ。なぜならフットボールの伝統国の人々は、長期的な展望に立ちながらも、目の前のハードルをひとつひとつ乗り越えていくことが、何よりも重要だとわかっているからだ。
「日本の良さを消すべく」進めたイランの周到な準備
好調時にこそ、元にいた場所に立ち返る──そうした姿勢が不可欠だと思う。特にまだ世界の8強にも入ったことのないチームには。
その点で、イランは慎ましく周到な準備をしていた印象だ。
「強い日本の良さを消すべく、我々はまず、中盤の3人に仕事をさせないことを徹底した」とイランのアミル・ガレノイ監督は話した。
「またセンターバックとライトバックの間に生まれるスペースを狙った。私たちのプランはうまくいった」
ここから日本がどう立ち直るのか。じっくりと観察させてもらおう。