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やはり別格だった三笘薫、それでもうつむき加減で「まだまだ全然ですね」…復帰を遂げた“脅威のドリブラー”はなぜ反省の言葉を口にしたのか
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2024/02/01 17:02
ラウンド16で待望のアジアカップ初出場を果たした三笘薫。復帰初戦から切れ味鋭いドリブルでバーレーンの守備陣を翻弄した
ややうつむき加減で「まだまだ物足りない」
追加点を許さなかった日本は、3対1のまま終了の笛を聞いた。三笘のプレータイムは30分強である。森保監督は「65分か70分ぐらいからプレーしてもらい、アディショナルタイムも含めて30分から40分ぐらい」の起用を見込んでいた。「おおよそ想定通り」ということになる。
昨年12月下旬のプレミアリーグで、三笘は左足首を負傷した。受傷直後はチームスタッフの肩を借りて、ピッチをあとにしたほどだった。アジアカップ出場は難しいとの見通しもあったなかでメンバー入りし、ここまでリハビリに取り組んできた。
このタイミングでの復帰となったことについて、三笘は「グループステージ第3戦のインドネシア戦から出られたら良かったですけど、そこまで遅れてはいないですね」と話した。「ほぼ予定通り」とも語っている。
「けっこう大きなケガでしたけど、無事に復帰できたのは良かったですし、スタッフだったり、ブライトンからもサポートを受けてきたので、感謝ですね。結果で恩返ししたいと思います」
後半のオープンな展開のなかでは、ふたつの思いのはざまに立った。
「結果を残したい気持ちもありましたし、スペースがあるなかで前へいきたいなというのもありましたけど、後ろはもっと時間を作ってほしいというのもあったと思います」
局面やタイミングを見定めながらの仕掛けに強引さや無謀さはなく、相手守備陣に明確なストレスを与えた。だが、チームとして追加点を決め切れなかったという事実を、三笘は正面から受け止めていた。
ややうつむき加減で話すその視線は、すでにイランとの準々決勝を見据えていた。この時点では対戦相手が決まっていなかったが、イランではなくシリアが勝ち上がってきたとしても、この試合の反省と次戦へのテーマが変わることはないだろう。
「次の試合はどこが相手なのかまだ分からないですけど、少ないチャンスでやりきらないといけない。まだまだ物足りないなと」