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佐々木朗希“ロッテに突然メジャーを突きつけた”は考えづらい…スポンサー契約延長せず「実は1年前から準備を…」地元・岩手、アメリカで聞いた声
text by
杉浦大介Daisuke Sugiura
photograph byJIJI PRESS
posted2024/02/01 06:01
会見で新シーズンへの意気込みを語った佐々木朗希(22歳)。2024年は大事な1年になる
佐々木の地元・岩手県の関係者からは、佐々木は2024年のメジャー挑戦を睨んでもう1年前から準備していたという情報も聞こえてきている。
あるスポンサー関係者によると、昨年夏頃、佐々木に契約延長のオファーを出したが、明確な回答がロッテ球団からは返ってこなかったのだとか。
それと同時に、今オフの移籍の噂の元はアメリカでもあり、メジャー契約でポスティングされるまでまだあと数年は待たなければいけないはずの佐々木のスカウティングを一部のMLBチームは熱心に続けていた。
話題を呼んだ“サイドレター”のありかははっきりとしないまま。しかし、長期化した交渉中に様々な憶測を呼んだあとで、ロッテの松本尚樹球団本部長は「佐々木がわがままを言っているとか、ごねたりとかはまったくない。球団側に至らぬ点や落ち度があった」と説明していた。様々な状況、関係者の言葉から判断して、今オフの佐々木のメジャー挑戦希望はここで突然言い出したものだとはやはり考え難い。
これまでは球団も佐々木のそういった青写真に理解を示し、そこに何らかの変化があったからこそ、話し合いは長引いたのではないか。だとすれば――。ロッテ側とそのファンの不本意な気持ちを理解した上でも、佐々木の熱い思いとプランを支持し、早期のメジャー挑戦を改めて楽しみにしたくもなる。
キャンプから再出発、大事な2024年
「入団当初から、僕の目標というか気持ちについては球団と話してきた。もちろん毎年、コミュニケーションは取ってやっています。その中で球団の方にも理解をしてもらっていると思っている。そういう認識でいます」
佐々木は1月27日、ロッテとの再契約後の会見で久々に口を開き、同時に「将来的にメジャーでプレーしたいという思いはある」という希望を繰り返していた。
球界全体を騒然とさせた騒動のあとで、佐々木は2月1日にはキャンプインし、ロッテの一員として再出発を切る。11月には23歳になる豪球右腕にとって、2024年は野球人生の中でも極めて大事な1年になるのだろう。佐々木とロッテの間でどんな話し合いがなされ、どんな取り決めがあるにせよ、ここで素晴らしいシーズンを過ごすことが重要な意味を持つことは間違いないからだ。
“世界一の投手”になるという壮大な目標に近づくためにーー。より多くの人々が納得できる形で、アメリカ側から見ればできればなるべく早く、“史上最高”とも称される逸材が大きなステップを踏み出すことを改めて願っておきたい