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大谷翔平と山本由伸の獲得は“ドジャースの執念”だった…他にも続く大型補強、ド軍の“黄金期”は本当に実現するか?
posted2024/02/01 06:00
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph by
Getty Images
西海岸の名門ドジャースが今オフ、球界を驚かせる巨大補強に成功した。昨季MVPの大谷翔平をプロスポーツ史上最高額となる10年総額約1015億円、さらに山本由伸を投手最高額となる12年総額約471億円で獲得したのだ。いずれも当初の予想を上回る巨額の条件で、日本を代表する2人のスーパースターを「チームの顔」として迎え入れた。
破格の投資に踏み切ったのも、ドジャースの勝利への執念の表れだった。昨季まで11年連続でプレーオフへ進出し、その間、地区優勝10回の強豪となっても、世界一はコロナ禍で公式戦が60試合に短縮された2020年だけだった。1998年から3年連続世界一となったヤンキース以来、ワールドシリーズを連覇したチームはない。大谷と山本は、ドジャースを本当の意味で常勝軍団に築き上げるためにも、「核」となる重要なピースだった。
常に世界一を狙い続ける球団の思いは、大谷にも明確に伝わった。たとえ世界一になっても、その後、年俸が高騰する主力選手を続々と放出し、低迷期を迎える球団は数多い。だからこそ、大谷は年俸総額の約97%を後払いにする変則契約を自ら提案してまで、中長期的な戦力強化を望んだ。
「野球選手として、あとどれくらいできるか、正直分からないですし、勝つことが僕にとって一番大事なことかなと思います」
ドジャース“黄金期”は実現するか?
移籍決定直後の大谷が移籍交渉に同席し、直接言葉を掛けられた山本も、思いは同じだった。低迷期のオリックス入団後、3年連続沢村賞を獲得するエースに成長し、強豪球団となる過程に貢献してきた。「勝ち続けたい気持ちが強いというのが優先順位に置いていた決断の理由でした」。しかも、尊敬する大谷と一緒に同じ目標に向かう喜びも加わった。
「大谷さんが仮に他のチームを選んだとしても、僕はドジャースを選んでいたかなと、思います」
実際、2人だけでなく、先発タイラー・グラスノー、救援ジョー・ケリーらとも契約した。デーブ・ロバーツ監督の「我々は常にベターにしていく」との言葉通り、補強の手は緩めていない。大谷と山本の「2トップ」体制は、今後、10年間は続く。ドジャースが目指す黄金期が、かつてのヤンキースを凌ぐことになったとしても、誰も驚きはしない。