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“17歳でJデビューの天才”が1年で構想外…それでも中村敬斗23歳が森保Jで序列アップした理由「三笘選手がいるのに…素直に嬉しい」
posted2024/01/30 17:03
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
JFA/AFLO
切れ味鋭いドリブルとパス、そしてずば抜けたシュートセンスには、やっぱり惚れ惚れさせられる。金髪をなびかせた、中村敬斗のことだ。
日本代表で主戦場となる左サイドには三笘薫という絶対的な存在がいるが、不在時の一番手として起用されるまでに序列を一気に上げてきた。
日本代表初招集は昨年3月。当時、オーストリア1部のLASKリンツでレギュラーの座を掴んで飛躍の時を迎えていた中村は、3月24日のキリンチャレンジカップ・ウルグアイ戦で代表デビューを果たした。与えられたのは終了間際のわずかな出場時間だったが、サムライブルーのユニフォームをまとって立つピッチをしっかりと噛み締めた。
「初招集では起用されない選手もいる中で、しかも同じポジションには三笘選手がいるのに、こうして少しでも使ってもらえたというのは素直に嬉しいです」
三笘に代わってスタメン、強烈ミドル弾
開催中のアジアカップでその存在感はより大きなものになる。負傷明けの三笘はグループステージを欠場。重要な初戦ベトナム戦で左サイドの代役を任されたのが中村だった。
23歳の若きアタッカーは、見事にその期待に応える。前半アディショナルタイム、左サイドで南野拓実からのパスを受けると、得意のカットインから強烈なミドルシュートをゴール右隅に突き刺した。まさかの2失点で浮き足立っていたチームに落ち着きをもたらす貴重な逆転ゴールだった。
さらに、再び左ウイングでスタメン出場した3戦目のインドネシア戦でもゴールを演出した。