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鈴木彩艶と“叩かれがちな”日本代表GK史…川口能活「殺されようがしょうがない」「6失点は恥ずかしいけど」楢崎正剛、川島永嗣も苦しんだ日
text by
NumberWeb編集部Sports Graphic Number Web
photograph byKiichi Matsumoto(C),Takuya Sugiyama(L,R)
posted2024/01/28 17:01
川口能活、鈴木彩艶、川島永嗣。日本代表のゴールマウスの前に立つ守護神は、厳しい批評とも戦うことになる
コロンビア戦で壁の下を通されたFKをかき出せず、セネガル戦ではパンチングミスから先制点を献上した。立て続けに失点に絡んだとなれば、さすがの川島でも心が折れてもおかしくない状況だろう。それでも日本代表はこの2試合で1勝1分け。チームメートが川島を救う形になった。
「サッカーは一人で戦う競技ではないことを実感させてもらえました」
実感がこもった言葉を残した。
なお川島は2011年のアジアカップ優勝メンバーであると同時に、この大会でも大きな批判を受けた。グループステージのシリア戦では――今ならVARが入るはずの“微妙判定”によって一発レッドとPK献上の憂き目に。準々決勝カタール戦では角度のない位置からの相手FKで、壁の作り方の齟齬もあってニアサイドを破られ失点するなど、厳しい評価を受けることもあった。
それでも川島は気持ちを立て直し、準決勝の日韓戦では2-2でフルタイムを終えたのちのPK戦でビッグセーブを見せ、ザックジャパンがアジアの頂点へと駆け上がる大仕事を成し遂げている。
安定感抜群の楢崎も「6失点して恥ずかしかった」ことが
<名言3>
6点も取られるともう恥ずかしいですよ。早く終わってくれと思いますもん。でも、これが自分の仕事。
(楢崎正剛/Number970号 2019年1月17日発売)
◇解説◇
日本サッカーのGKの第一人者として活躍した楢崎。1990年代後半から2000年代にかけての川口との激しいライバル関係(実は仲睦まじいとのこと)にあって、日本代表が初の決勝トーナメント進出を果たした日韓W杯では正守護神として存在感を見せた。
川口、川島はいわゆる“当たった”試合で残したインパクトが強い一方で、楢崎は安定感あるセーブを見せて最後方からチームを支える印象を持つサッカーファンは多いだろう。
しかしそんな彼でも、大敗を喫した試合は存在する。