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ネット酷評→本田圭佑フォロー騒動のW杯から1年、ドイツ全SBで4位“伊藤洋輝ロール”が旬なワケ「前半は守田(英正)くん。後半は逆に…」
posted2024/01/19 17:03
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph by
Etsuo Hara/Getty Images
「今の君はもう十分あの頃を越えているよ」
漫画『SLAM DUNK』の安西先生のセリフを引用するまでもなく、格の違いを見せつけ始めているのが伊藤洋輝だ。
醜悪な批判を浴びたカタールW杯コスタリカ戦の頃とは存在感が違う――。
本田圭佑のフォローと、W杯後に本人が語った悔しさ
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「伊藤洋輝さんに関して。安易な批判はやめるべき。監督が指示してない可能性もある。選手ってのはコーチング1つで1流にも2流にもなりえる」(原文ママ)
元日本代表の本田圭佑がTwitter(現X)に投稿したのは約13カ月前のこと。代表チームの先輩が異例の投稿をしたのには理由があった。
カタールW杯のコスタリカ戦後、後半から左SBで途中出場した伊藤のアカウントを含めて、SNSに批判の言葉があふれたからだ。しかも、それらを拾ってPV稼ぎに走るメディアまで現れた。
視聴者に加えて、志の低いメディアが追随しての伊藤バッシング。本田がわざわざフォローしたのは、ABEMAで試合の解説を務めた本田自身が左サイドの攻撃時の機能不全を語ったことに加え(もちろん伊藤の人格攻撃などは全くしていない)、日本の失点につながるクリアボールを蹴った状況を踏まえ、フォローしなければと感じたからだろう。
「(気持ちの波は)見せないッスよ! (相手と)駆け引きしないといけないので(笑)」
こうABEMAのインタビューで語っているのは冨安健洋だが、当時の伊藤も状況を淡々と受け止めているように見えた。
ただ、W杯後について悔しさを口にしたことはある。2023年3月、所属クラブでのパフォーマンスが向上している理由について聞くと、こんな答えが返ってきた。
「やはり、W杯で悔しい思いをしたというのが、一番大きいところです。チーム自体は残留争いをしていて(※当時のシュツットガルトは残留争いの末、入れ替え戦を経て1部残留)、内容が良くても結果が出ないという厳しい状況ですけど……それでも『その中で自分に何ができるか』を意識してやっています」
“ブンデス全SBで4位”の高評価を得た
しかし、あれから1年2カ月が経って、伊藤はコスタリカ戦と同じ左SBでの出場で格の違いを見せつけた。
「見違えるほどの成長を見せつけたのでは?」という問いへの答えは、アッサリしていた。