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堀口恭司「大晦日RIZINで公開プロポーズ」のウラ側…“強制ディズニー”からのゴールイン、榊原CEOは内心ビクビク?「契約への文句かと…」
posted2024/01/09 17:00
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
33歳の堀口恭司にとって、2023年12月31日は忘れられない一日になったに違いない。目下10連勝中と快進撃を続けていた23歳の神龍誠を下して初代RIZINフライ級王座を獲得しただけではなく、リング上にタレントの川村那月を招き入れ公開プロポーズ。最高の形で人生の伴侶との門出を祝うことに成功したからだ。
王者フアン・アーチュレッタの体重超過というアクシデントをはね除けた朝倉海のRIZINバンタム級王座獲得、因縁が因縁を呼んだ平本蓮とYA-MANの喧嘩マッチ、実生活では孫がいる山本美憂のMMA引退試合……。いずれも見応えのある一戦だった。
大晦日の格闘技イベントは年に一度のお祭り。様々な色のマッチメークがあっていい。そうした中、負ければ新旧交代と言われかねないシチュエーションでの大トリで実力差を見せつけた直後に、2万3013名(主催者発表)の大観衆の心をハッピーにさせたという意味で、この日の大会MVPは堀口に贈呈してもいいのではないかと思った。
堀口恭司の覚悟「負けていたらプロポーズは…」
主催者側が堀口の結婚話を知ったのは、決戦前日の集合写真撮影の際だったという。RIZINの榊原信行CEOは隣にいた堀口から「ちょっと時間いいですか」と声をかけられ、人払いをして2人で話すことになった。
榊原CEOは「往々にしてこういうときの話は、契約に文句でもあることが多い」と内心ビクビクしていたが、堀口から元RIZINガールとの結婚話を切り出されるや「ふざけんな」と笑顔で詰め寄り、「だったら、リング上でプロポーズしたらいいんじゃない?」と提案したことを明かした。
ポジティブなサプライズを普通に発表するだけではもったいない。しかしながら、ひとつだけ問題があった。この発表は堀口が勝つことが絶対条件で、仮に神龍に負けるようなことがあれば全て帳消しになってしまうということだ。試合後、堀口も覚悟のうえでの一戦だったことを打ち明けた。
「負けていたらプロポーズしてません。勝ってから(リング上で)即興で何を言おうかと考えました。RIZINで出会った2人なので、ここでプロポーズするのが筋かなと」