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「ファイターの顔じゃない」告げた妻…扇久保博正(36歳)がRIZIN完勝で証明した“世界レベル”「堀口(恭司)選手にいつか勝ちたい」

posted2024/01/10 11:00

 
「ファイターの顔じゃない」告げた妻…扇久保博正(36歳)がRIZIN完勝で証明した“世界レベル”「堀口(恭司)選手にいつか勝ちたい」<Number Web> photograph by RIZIN FF Susumu Nagao

元UFCランキング1位のドッドソンを判定3-0で下した扇久保博正

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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RIZIN FF Susumu Nagao

 “強さ”とは何だろう。格闘技を見ていると、そのことを考えざるを得なくなる。技術や体力、経験値の総和なのか。気持ちが大事だとよく言われるが、それはどんなマインドのことなのか。選手の“勝ちたい気持ち”に差などあるのか。

 2023年12月31日、扇久保博正は一つの答えを見せた。自分を信じる気持ち、諦めない心だ。

自分を“証明する”ための闘い

 3年連続出場となるRIZIN大晦日大会。彼はジョン・ドッドソンと対戦した。世界最高峰のMMAイベントUFCで闘ってきた強豪。UFCフライ級タイトルマッチを2度経験している。RIZINでは2戦2勝。所英男を豪快にKOして日本のファンにもインパクトを残した。

 一方、扇久保は2021年の大晦日が最後の勝ち星だった。朝倉海を下しバンタム級ジャパンGP優勝。試合後にはリング上でプロポーズして話題をさらった。結婚し、子供が生まれ、しかし試合は3連敗。フライ級に階級を戻して堀口恭司と闘うも判定負けに終わった。修斗の世界王座を奪われた試合から、堀口とは3度闘ってすべて負けている。

 連敗中も扇久保は腐らなかった。2023年7月、朝倉海の欠場を受けてバンタム級王座決定戦に代打出場。とにかく勝ち星がほしい時に「家族がピンチの時に黙ってる男はいない」と、再び階級を上げて海外のトップ選手と対戦したのだ。

 RIZINにかける心意気を示した扇久保に、適正階級であるフライ級でのチャンスとも試練とも言える試合がやってきた。それが今回のドッドソン戦だ。UFCでタイトルマッチに進出した選手に勝てば、自分が世界レベルだと証明できる。しかしもちろん、簡単に勝てる相手ではない。

妻に言われた「ファイターの顔じゃない」

 扇久保はUFC出場をかけたトーナメント「TUF」決勝で敗れ、契約できなかった過去がある。そのUFCで活躍していたのがドッドソン。しかも彼は「TUF」に優勝してUFCへの道を切り拓いた。扇久保にとってチャンスであり試練であり、そしてコンプレックスを刺激するような対戦相手だ。

【次ページ】 元UFCランキング1位を“泥沼”に引きずり込み…

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