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木村“フィリップ”ミノルの逮捕に思う「格闘技のイメージは過去最悪」なぜ醜聞があとを絶たないのか? しわ寄せは“大多数の真面目なファイター”に
posted2024/10/14 17:01
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph by
RIZIN FF Susumu Nagao
どこまで堕ちれば底を打つのか。
前代未聞の事件が起きた。『FIGHT CLUB.2』開催2日前の10月3日、東京都西東京市・西武池袋線のひばりヶ丘駅で、メインイベンターの木村“フィリップ”ミノルが大麻取締法違反の疑いで逮捕されてしまったのだ。
「ドーピングではなく、大麻をやっていたという…」
木村の“クスリ”にまつわる醜聞は今回が初めてではない。昨年6月にはRIZINでロクク・ダリを左フックで失神KOしたが、ドーピング検査で陽性となり失格。裁定は無効試合に変更され、木村には罰金と6カ月の出場停止処分が下された。その処分解除に合わせるかのように、同年12月31日の『RIZIN.45』で安保瑠輝也と対戦する予定だったが、再びドーピング検査に引っかかり試合そのものが中止となってしまった。
結果論ながら、6カ月というペナルティは“大甘”だったといわざるをえない。MMAをよく知る、あるオリンピアンは吐き捨てるように呟いた。
「五輪競技だったら、4年のサスペンドを受けているんじゃないですか」
9月18日、『FIGHT CLUB.2』の記者会見でYA-MANと木村の一騎討ちが発表された。オープンフィンガーグローブ着用のキックボクシングに特化した同大会をプロデュースする立場でもあったYA-MANは、木村に念を押した。
「俺はファイターとして木村ミノルを信じてるんで。やってないでしょ?」
木村は答えた。
「大丈夫だよ」
YA-MANがさらに「神に誓ってやってない?」と突っ込むと、木村は「神に誓ってやってない」と少しだけ声のトーンを変えて返答。筆者としてはそこが気になった。それでも“性善説”で木村の言葉を信じるしかなかったが、この有り様だ。木村は神さえも欺いてしまった。
10月4日の前日計量に顔を出したYA-MANに筆者が「木村の発言は全て嘘だったのではないか」と質問したところ、こんなブラックジョークが返ってきた。
「いや、ドーピングはやっていない、ということだったんでしょうね。ハハハッ。ドーピングではなく、大麻をやっていたという……」