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「パリ五輪を目指す」宣言も話題…杉原愛子24歳が会社を設立していた理由「SNSは対策をしつつ活用」「体操をメジャースポーツに」 

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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photograph byAsami Enomoto

posted2023/12/28 11:05

「パリ五輪を目指す」宣言も話題…杉原愛子24歳が会社を設立していた理由「SNSは対策をしつつ活用」「体操をメジャースポーツに」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

競技を続けながら、体操普及のための会社立ち上げ、イベントへの出演など、精力的な活動を行っている杉原愛子(24歳)

東京五輪では誹謗中傷も…「SNSは対策をしつつ活用」

 このような考えを胸に、杉原はSNSでの発信を積極的に行なっているが、一方でSNSに関しては懸案事項があることも否めないように思える。東京五輪では多くのアスリートが因果関係のないことで誹謗中傷を受けるなど、さまざまな問題もあったからだ。杉原はSNSを駆使することに対して不安はないのだろうか。

「あの時は自分自身も誹謗中傷を受けていました」

 杉原は頷きながらそう言った。そして、「私自身はあまり気にするタイプではなく、 “暇なんだろう”とか“見ているのは興味があるからだろう”とか、そういう考えでしたが、それでも見たら一瞬は嫌な気持ちになります」と続けた。

「ただ、そういうところも多少ありますが、SNSは自分で発信できる身近で便利なものでもあるので、アンチコメントが来ないような対策をしつつ活用しています。SNSによってコアなファンがたくさんついてきたという実感もあります。自分を応援してくれているコメントを読んで感謝の気持ちを忘れずにどんどん活動していきたいです」

 杉原は“体操をメジャースポーツにすること”に腐心している。だからこそ、テレビ、SNS、各地のイベントなど、普及に役立つことであれば発信のプラットフォームにこだわることなく、それぞれを大事にしていきたいという。

人に見てもらう機会が表現力につながる

「普及できる場所があるならばそこに自分自身が出て活動を行ないたいという思いがあります。例えば商業施設でイベントをやれば大会で使う体育館よりも近い距離で見られるので、音も含めて迫力があります。SNSに映像を上げるなら段違い平行棒を下から撮影していつもと違う角度で見てもらうことができたりもします。それぞれの方法が持つ良さを活かせると思うんです」

 体操を知らない人たちへの訴求という意味合いで杉原が印象に残っていると語るのが、大型商業施設のアトリウムにイベントスペースをつくって技を披露した時のことだ。

「通りすがりの人が立ち止まって見てくれたり、天井が吹き抜けのところでやった時は2階からも見てくれたりしました。そういう経験をしてきたことで、今ではどうやったらみんなが喜んでくれるかな、楽しんでくれるかなと、見せ方について考えるようになりました。以前とは自分の考え方が変わったと思います」

 自らが社長を務めるトライアスでは、いずれジュニア選手たちにもこういった商業施設などで大勢の人に演技を見てもらえる場をつくっていきたいと考えている。人に見てもらう機会が多ければ見られることを意識することが増え、表現力を磨くことにもつながるだろう。

「私がイベントに出るようになったのは最近ですが、これからはジュニアのうちからイベントやエキシビションに出て、たくさんの人に愛してもらえるような選手になってほしいと思います。イベントでは天井の高さなどによってできることは限られてきますが、現役選手の方が難しい技をできるし、簡単な技でも切れ味が違います。現役選手はこういうイベントに出てはいけないというような固定観念も崩していけたらいいなと思います」

【次ページ】 中学生のコーチとしても活動中の現在

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