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杉原愛子「パリ五輪を目指す決心を…」“まさかの宣言”に込められた思い…初出場から8年、24歳が本音で語る「今は体操が楽しい」
posted2023/12/28 11:04
text by
矢内由美子Yumiko Yanai
photograph by
Asami Enomoto
23年11月26日。杉原のSNSでの報告は大きな反響を呼んだ。
『東京オリンピックの翌年、選手生活に一区切りをつけましたが、来年のパリオリンピックを目指す決心をしました』(杉原)
インスタに寄せられたコメントは500件以上。Xなどを合わせて700件近くのメッセージが届いた。直接の声も多かった。
「たくさんの人に応援していただいていることを改めて実感して、私自身、もっと頑張ろうという前向きな気持ちになりました」
表情が生き生きしていて、自然と笑顔になっていることが伝わってくる。
6月には復帰戦でいきなり優勝の快挙
22年6月に「一区切り」をつけた後は、コーチとして中学生を指導したり、エキシビションに出演したり、テレビのレポーターなども含め、幅広く活動してきた。
「エキシビションやイベントで演技できるレベルの練習をして体を動かしていました」と語るように、週2、3日の練習を続けていたため、ある程度の感覚は維持できていた様子だ。「筋肉はめっちゃ落ちた」と言うが、太りにくい体質のため体重も食事制限をせずに一定範囲にキープできていた。
そうした日々を送りながら今年6月の全日本種目別選手権でゆかの1種目に絞って公式戦に復帰し、いきなり優勝。9月にあった全日本シニア選手権では全4種目に出場し、合計51.932点で3位になる好成績でファンを驚かせた。
目指すパリ五輪「決心したのは本当に最近です」
パリ五輪を目指しての現役復帰は、「一区切り」の段階からある程度想定していたのだろうか? 杉原は首を振った。
「6月の全日本種目別選手権に出た時も、9月の全日本シニア選手権の時も、パリはまったく目指していませんでした。決心したのは本当に最近です。自分自身、こういう決断に至ったことにちょっと驚いてもいます」
自身3度目となる五輪に出たいと思ったのは何故か。