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史上最高の175億円超! 潤沢な米女子ゴルフ、来季は“9名の日本人”が席巻!? あと一歩の畑岡奈紗、渋野日向子の再出発、サバイバル突破の新顔 

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桂川洋一

桂川洋一Yoichi Katsuragawa

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photograph byYoichi Katsuragawa

posted2023/12/26 06:04

史上最高の175億円超! 潤沢な米女子ゴルフ、来季は“9名の日本人”が席巻!? あと一歩の畑岡奈紗、渋野日向子の再出発、サバイバル突破の新顔<Number Web> photograph by Yoichi Katsuragawa

熾烈な予選会を突破し、2024年米女子ツアーの出場権を獲得した吉田優利(左)と西郷真央。賞金総額は過去最高175億円超、戦いは1月から始まる

 ミスをしても淡々と。ラウンド後の主だった練習と言えば、ユーティリティのテストを兼ねて打ち込んだ1日あまり。ラウンド後のインタビューを終えると「帰りま~す」と毎日、早々にコースに背を向けて車に乗り込んだ。自身を客観視し、クレバーに向き合う理性的なプレーぶりは、なにもこの予選会だけでなく、本格参戦後の活躍も予感させるものがあった。

シーズン終盤、絶不調だった西郷真央

 最終的に7位で見事通過を決めた吉田を差し置いて、1週のオフをとって試合に臨んだ西郷は2位でルーキーイヤーの出場権を手にした。通算26アンダー。精度の高いショットが連日さく裂し続け、パッティングがもう少し決まっていれば、とんでもない好スコアになっていたであろう爆発力を披露した。

 この1年の浮沈は激動だった。年間5勝をマークした昨年、西郷は終盤に絶不調に陥り、最終戦で断トツの最下位(40位)に終わった。3ラウンドで80台を記録し、通算35オーバーはひとつ上の順位の選手と24打のひらきがあった。

 その後の試行錯誤のプロセス。「まず冷静に、『これをやったら(よくなる)可能性があるかな』と、いろんなパターンを出して、練習を再開するときに一つずつ潰していった」。今季も万全の状態で開幕を迎えられたわけではない。「いろんなものが見えて、試合をやる中で発見もすごくたくさんあった」と復調のきっかけを丁寧に探り、11月に復活優勝を遂げてから3週後の最終予選会に乗り込んだ。

 そういえば……2人はいずれも千葉県出身である(市原市じゃないけど)。冒頭の記述、こんな風にこじつけられるとも思っていなかった(なんのこっちゃ)。

 ちなみに同じく世界ランク上位75位以内の資格で最終予選会から出場した韓国のイ・ソミ、イム・ジンヒも20位タイのハードルをクリア。実力者がしっかりと好結果を残したという意味で、ランキングとこの予選会のシステムはしっかり機能していたと言っていい。

【次ページ】 高校3年生・馬場は出場権ならず

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