ゴルフPRESSBACK NUMBER

出産、シード落ち、10年優勝なし「そろそろ引退したら?と思う人もいる」それでも、横峯さくら(38歳)が“プロゴルファー”にこだわる理由

posted2024/02/20 06:00

 
出産、シード落ち、10年優勝なし「そろそろ引退したら?と思う人もいる」それでも、横峯さくら(38歳)が“プロゴルファー”にこだわる理由<Number Web> photograph by Shizuka Minami

1月、練習場で黙々とボールを打っていた横峯さくら。今シーズンに向けた意気込みを語った

text by

南しずか

南しずかShizuka Minami

PROFILE

photograph by

Shizuka Minami

 昨季、国内ツアーのシード権を獲得できずに終わった横峯さくら(38歳)。今シーズンは限定的な出場となるが、勝利への情熱は燃え尽きることはない。子育てとの両立、そして2014年以来のツアー優勝に向け、旧知のカメラマンに覚悟を語った《NumberWeb密着インタビュー》。

 1月某日、京都。1カ月前に38歳になったばかりの横峯さくらは、練習場にいた。

 アイアン、ドライバー、ウェッジとクラブを持ちかえ、淡々と打ち続けること45分。「シュッ」という音を響かせながら、最後の一球を打ち終えると、「フフフ」と笑みをこぼした。

「昨年のQT(クォリファイングトーナメント)の時よりゴルフの状態は良いです。もう、いつ試合が始まってもいい感じ」

 昨シーズンは厳しい1年だった。出場した17試合のうち、予選落ちは10試合。トップ10入りは一度もなかった。

 メルセデスランキング50位以内に付与される国内ツアーのシード権を獲得できなかったことで、最終予選会(QT)に出場。通算2オーバーでQTランキング40位となり、今季の序盤は、ある程度の試合数に出場できる見込みだが、過去の実績からすれば少し寂しい。年間通してトーナメントに出続けるためには、限られた試合で結果を残し、6月の第1回リランキングで優先順位をあげたいところだ。

「そろそろ引退したら?と言う人もいる」

 国内女子ツアー通算23勝、2009年には賞金女王を獲得。輝かしい過去の栄光は色あせることがないが、「昨季の成績を見たら、『そろそろ引退したら?』と言う人もいるだろうなと思います」と、本人は現状を楽観視していない。しかし、横峯の“現役続行”の意志は揺らがなかった。それは、子育てとの両立に価値を見出しているからだ。

 横峯は2020年9月に第一子の妊娠を発表し、翌21年2月に無事、長男を出産した。妊娠中もコースに立つなど、かねてから“両立”に精力的で、出産後もわずか3カ月でツアー復帰を果たした。

【次ページ】 子育てしながら戦う同僚たち

1 2 3 4 NEXT
#横峯さくら

女子ゴルフの前後の記事

ページトップ