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大谷翔平の衝撃FA…実際ドジャースはどう決まったのか? 最終候補が“消去法”で絞られていき…日本人が「北米史上最高額プレーヤー」になるまで
text by

水次祥子Shoko Mizutsugi
photograph byGetty Images
posted2023/12/11 17:02

大谷翔平が「北米史上最高額プレーヤー」になるまで。その移籍劇を振り返る
完璧なほどの情報統制は、大谷の代理人ネズ・バレロ氏によって各球団に通達されたといわれている。契約交渉が解禁された当初、獲得に興味を持つ各球団に「不利な立場になりたくなければ、交渉に関する情報を漏らさないこと」と伝えたという。そうして争奪戦は水面下で、静かに進行していった。
“消去法”で絞られていった移籍劇…「記憶にない」
最終候補の5球団の名前が浮上したのは、交渉解禁から約1カ月を経過したころ。その浮上の仕方がこれまた異例だった。大物FA選手が争奪戦になった場合「○○チームが獲得に動いている」というように、そのままストレートな情報が出てくるのが普通だ。
ところが大谷の場合、現地12月1日にパッサン記者が「レッドソックス、レンジャーズ、メッツの3球団が争奪戦から脱落した」と報じたことから、球団が絞り込まれたことが判明した。“消去法”によって交渉継続中の球団が明らかになるというのは、長年MLBを取材してきた筆者でもあまり記憶にない。この少し前には他の米記者から「ヤンキースは、オオタニがニューヨークでプレーする気持ちがあると本気で考えてはいないので消極的」「マリナーズは、オオタニを獲得することは現実的ではないと判断している」などの情報が出ており、脱落球団が出るたびに、絞り込みが進んでいることがわかった。
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そんな最中、12月5日の会見でドジャースのデーブ・ロバーツ監督によるまさかの暴露があった。聞かれてもいないのに自ら大谷の名前を口にしたのだ。「正直に言いたい」。そう切り出された約20分間の会見を見直すと、そこには“確かな目的”があったことがわかる――。
〈つづく〉
