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男子バレー注目の新星がまた出現「ハワイ育ちの23歳」「兄はバスケ日本代表」Vリーグで光る渡邉晃瑠(23歳)の“強烈ブロック”その原点は?
text by
市川忍Shinobu Ichikawa
photograph byJVL
posted2023/12/07 17:02
ハワイ大学からV1・日本製鉄堺ブレイザーズに加入した渡邉晃瑠(23歳)【VLAP-2023-004 ©JVL】
2023年7月、ブレイザーズと契約を交わし、来日した。日本の生活にはだいぶ慣れたそうだが、南国育ちだけあって日本の寒さには閉口しているという。
「とにかく洋服を着こんでいます。それから生まれて初めて手袋をはめました、ハハハ。それでも人生で2回、雪を見たことがあるんですよ。雪だるまが作れるほどの積雪ではないですが、うっすらと道路が白くなり、舞う雪はふわふわとしていて、触ると溶けてしまう。あれは素晴らしい体験でした」
幼稚園のころ、夏休みを利用して何度か日本には来たことがあるが、幼かったために当時の様子はあまり記憶には残っていない。母親から伝え聞く日本は「皆が勤勉で満員電車がすさまじい混み具合」という印象だとか。
「来日して感じたのは、確かに東京は人が大勢いてせわしない感じですが、大阪はそれほど人も多くないし、皆がゆったりしている気がします」
「日本語で会話するのはまだ恥ずかしい」
インタビューは通訳を介して行われたが、ハワイ大学時代、日本語の授業があったため相手の話していることはおおむね理解できる。「でも話すのが下手で会話をするのは恥ずかしい」と照れくさそうに笑いながらも時折「ありがとう」などの日本語を交えて取材に応じてくれた。
チームメートとのコミュニケーションもしっかりと取れている。
「今、ブレイザーズで最も意識して練習しているのはセッターとのコネクションですね。あとは試合の中で、自分が攻撃するためのスペースを保つこと。ローテーションの位置や相手ブロックの強い場所などを頭に入れて、自分が最もうまく攻撃に入れるスペースを考えてプレーすることです」
リーグが進むごとに、ブレイクでのクイック打数が徐々に増えているのは、晃瑠がチームに馴染んできた証拠だろう。