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[ルヴァンカップ制覇の舞台裏]アビスパ福岡「労いではなく、喜びを」

posted2023/12/09 09:00

 
[ルヴァンカップ制覇の舞台裏]アビスパ福岡「労いではなく、喜びを」<Number Web> photograph by J.LEAGUE

タイムアップの瞬間、GK永石拓海ら守備陣が喜びを爆発させる。浦和の猛攻を耐え抜いた

text by

北條聡

北條聡Satoshi Hojo

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J.LEAGUE

かつてJ1とJ2を行き来してきたエレベータークラブがJリーグ参入28年目にして悲願の初タイトルを手にした。なぜ浦和との国立決戦で、秘策は機能したのか――。長谷部監督とMVPに輝いた前が、舞台裏を明かした。

 勝者と敗者。そこに天と地ほどの差があることは論を俟たない。それこそ歴史が、人生が劇的に変わることすらある。やり直しがきかない一発勝負のそれなら、なおさらだろう。

 生かすか、逃すか。

 ネイビーブルーのシャツに身を包む無冠の一団にとって、まさしく千載一遇の好機だった。11月4日、東京の国立競技場で開催されたルヴァンカップ決勝である。

「絶対に勝つ、何がなんでも勝つ。それが試合前に一番強調したことでした。そうした気持ちをもって戦えばこそ、実力以上の力を出せる。そう信じていました」

 アビスパ福岡を率いる長谷部茂利がそう振り返る。選手たちが「勝ちに対する執着がとても強い」と口をそろえる指揮官だ。こだわりの根っこに何があるのか。

「みんなに喜んでもらうこと。その一点に尽きますね。そして、喜んでもらうために絶対に必要な要素が勝つこと。負けてしまったら、よく頑張ったという労いの言葉をかけてもらえても、喜んではもらえない。選手はもちろん、福岡の方々、ファン・サポーター、スポンサー、チームスタッフ、このクラブに関わるすべての人たちに喜んでもらいたい。そのために勝つことが絶対に必要。だからこそ、徹底的に勝ちにこだわる。それが僕の根本」

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