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[ルヴァンカップ制覇の舞台裏]アビスパ福岡「労いではなく、喜びを」
posted2023/12/09 09:00
タイムアップの瞬間、GK永石拓海ら守備陣が喜びを爆発させる。浦和の猛攻を耐え抜いた
text by

北條聡Satoshi Hojo
photograph by
J.LEAGUE
勝者と敗者。そこに天と地ほどの差があることは論を俟たない。それこそ歴史が、人生が劇的に変わることすらある。やり直しがきかない一発勝負のそれなら、なおさらだろう。
生かすか、逃すか。
ネイビーブルーのシャツに身を包む無冠の一団にとって、まさしく千載一遇の好機だった。11月4日、東京の国立競技場で開催されたルヴァンカップ決勝である。
「絶対に勝つ、何がなんでも勝つ。それが試合前に一番強調したことでした。そうした気持ちをもって戦えばこそ、実力以上の力を出せる。そう信じていました」
アビスパ福岡を率いる長谷部茂利がそう振り返る。選手たちが「勝ちに対する執着がとても強い」と口をそろえる指揮官だ。こだわりの根っこに何があるのか。
「みんなに喜んでもらうこと。その一点に尽きますね。そして、喜んでもらうために絶対に必要な要素が勝つこと。負けてしまったら、よく頑張ったという労いの言葉をかけてもらえても、喜んではもらえない。選手はもちろん、福岡の方々、ファン・サポーター、スポンサー、チームスタッフ、このクラブに関わるすべての人たちに喜んでもらいたい。そのために勝つことが絶対に必要。だからこそ、徹底的に勝ちにこだわる。それが僕の根本」
こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。
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