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サムライブルーの原材料BACK NUMBER
「試されているんだろうな」望月ヘンリー海輝が感じた森保監督の”メッセージ” 歴史的勝利のブラジル戦で「うわっ、やってしまった」いまも残る“苦い記憶”
posted2026/03/26 17:05
192cmの体躯と抜群の身体能力を誇るFC町田ゼルビアの望月ヘンリー海輝(24歳)。日本代表として出場し、歴史的勝利を収めたブラジル戦での“苦い記憶”を明かした
text by

二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph by
Shigeki Yamamoto
24歳にして伸びしろ、ありまくり
誰にだって思い出したくもない失敗はある。
頭に浮かんできたら心は痛むし、へこむし、引きずってしまっている自分がいることに気づかされる。それでも必ずやってくる試合に立ち向かい続けているうちに、「もうしゃあねえわ」とどこか吹っ切れた。はっきりした感触はないが、そんな気がしたという。
弱さは強さ。へこめばへこむほど、彼は、望月ヘンリー海輝はたくましさを帯びていく。24歳にしてまだまだ伸びしろ、ありまくりだ。
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2025年10月14日、東京スタジアム――。場内のボルテージは高止まりしたままだった。
ワールドカップで5度の優勝を誇るブラジル代表に前半で2点をリードされながらも日本代表は後半に入って南野拓実、中村敬斗、上田綺世のゴールで逆転に成功し、国際Aマッチ過去13戦で一度も勝てていない相手に初勝利の瞬間が段々と近づいていた。
アディショナルタイムまであと5分。森保一監督は残り2枚の交代カードを切るが、その一人がヘンリーであった。右ウイングバックの堂安律と入れ替えるなら橋岡大樹、ベテランの長友佑都も選択肢にあったなかで、代表経験値が最も低いヘンリーに試合を締めくくる役割を与えた。
「あの場で僕がどれくらいやれるのか、試されているんだろうなとは感じました。守備の部分でしっかり仕事をしてくれという指示がありましたし、スタートから出ている(佐野)海舟くん、(渡辺)剛くんたちは疲労もあるので、自分が出てカバーできるようにしたいとは思いました。代表の試合に出場できるのは本当に光栄なんですけど、あの状況で入るというのはいろんなものを感じてしまって凄く緊張はありましたね」
ブラジルの10番ロドリゴとのマッチアップ
歴史的な瞬間を手にするには、絶対に守備でやられてはいけない。自分にそう言い聞かせてピッチに足を踏み入れた。
いきなりやるべき仕事がやってくる。背番号10をまとうレアル・マドリーのロドリゴと対峙し、間合いを詰めようとしたところをかわされてしまう。そのままリシャルリソンに向かって右足でクロスを上げられたが、前に出たGK鈴木彩艶がキャッチして危機を逃れた。ヘンリーは安堵するようにフーッと大きく息を吐いた。


