セリエA ダイレクト・レポートBACK NUMBER
「カマダは長い目で見なきゃ。ひと目で分かるぜ」“ラツィオサポ聖地パブ”で聞いたナマ鎌田大地評…って、なぜ店内に日本代表フラッグが?
text by
弓削高志Takashi Yuge
photograph byNurPhoto/Getty Images,Takashi Yuge
posted2023/11/30 20:15
CLセルティック戦後、古橋亨梧と健闘を称え合う鎌田大地。ラツィオサポ御用達パブの店主ジャンルカ・クルヅィさん(52)たちはどう見てる?
暖簾ならぬドアをくぐると、20坪ほどの店の壁一面に飾られた世界中のサッカークラブのユニフォーム、マフラーやグッズが視界に飛び込んできた。グラスのかち合う音や肉の焼ける匂いに混じって、アトレティコが3-1でリードしていることを試合中継のモニターで知る。
画面の主審が時計を見て笛を咥えると、店内にいた十数人の客全員が両腕を上げ、「Ohhhhhhh」とうなり始めた。カウンターの中ではいかつい“ツルツルヘッド”の親父が、ラツィオのチームフラッグを振り回している。
「オオオーッ! レッ!」
タイムアップの瞬間、ラツィオとアトレチコのグループ同時突破が決まった。20-21シーズン以来3年ぶりの快挙に、その場にいた全員でハイタッチとハグ、そして乾杯が交わされた。こちらも勢いで生中を一杯注文する。
なぜか店内に鎌田加入前から“日本代表の青いフラッグ”
ラツィオと英国スタイルのパブ文化に恋したクルヅィ兄弟が広場に店を構えたのが92年のことだ。長兄ジャンルカと次兄ロベルト、長女ジャダと母ローザで切り盛りする一家は当然全員ラツィアーレ。兄弟の伴侶も義実家も息子も娘も孫も全員親戚縁者一同ラツィアーレというから筋金入りだ。
「見ろよ、今夜は皆でオリンピコに試合を観に行っちまったからな。俺だけ店番ってわけだ!」
店主の長兄ジャンルカは、黒ギネスを手に豪快に笑った。
今年52歳の彼は若かった90年代、弟とオリンピコのクルヴァ・ノルド(北側ゴール裏席)へ通ったウルトラスだった。ラツィオ行くところならどんな辺境へのアウェー遠征であろうと足を運んだ。店内の一角には、夏の山地キャンプ中にFWディカーニオ(85年から通算5季在籍した人気FW)と渓流で水浴びをする写真がある。
行く先々の地元ユニフォームを集め店に飾っていたら、そのうち国内外から訪れる客たちが地元クラブのグッズを記念に持ち寄ってくれるようになった。入り口そばの目立つ場所に掲げてある日本代表の青いフラッグもその一つで、20年ほど前に古い友人が日本へ行った際にマフラーとともに持って帰ってくれたのだそうだ。
名DFネスタも訪れた名店で「フォルツァ・カマダ!」
永遠の都ローマには世界各国の人間が集う。今夜は流石に敵方セルティック・サポーターは来ないでしょう、と尋ねたら、以下の通り。