熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
「妊娠して仕事に影響が出ては…」“在ブラジル日本人柔道コーチ”母と長男・長女の成長日記「習い事も遊びの延長のようなものです」
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byHiroaki Sawada
posted2023/11/25 18:30
藤井裕子さん一家。清竹くんや麻椰ちゃんも様々な出来事があれど、当地での生活を楽しんでいるようだ
日本では考えられないことだが、フットボール王国ブラジルではこの年代から親が将来のプロ選手を夢見る息子をビッグクラブのアカデミーに入れようと奔走し、クラブの方も国内全土から優秀な選手を集めようとする(注:子供が首尾よくビッグクラブのアカデミーに入団した場合、クラブがある町へ一家で移住することが少なくない)。もちろん、フラメンゴも有望選手を集めようと躍起になる。
この年代ではフットサルの練習がメインなのだが、各ポジションに約4人の選手がおり、激しいポジション争いを繰り広げる。
憧れはファンダイク、冨安、遠藤、三笘、久保かな
このような状況で、清竹君は「絶対的なレギュラーではなく、試合には途中から出場するが、重要な試合ではあまりプレー時間を与えてもらえない」(陽樹さん)立場となった。
そして、昨年はU-8でプレーし、翌年もU-9への昇格が内定していたが、今年2月、練習初日の前日になって突然、「フットサルチームに在籍することはできない。フットボールの練習には来てもらいたいが」という通告を受けた。
このような状況で、陽樹さんが裕子さん、清竹君と相談した結果、今年はフットサルは古巣のアロウカで、フットボールは以前から誘いを受けていたボタフォゴでプレーすることに決めた。激動の1年を送ってきた清竹君に話を聞いた。
――2年前、フラメンゴ入団が決まった際、「プロ選手になるのが夢」と言っていました。今でも、その気持ちに変化はない?
「ないですね。プロ選手になりたいです」
――9歳10カ月で身長140cm、体重33kgは、日本人男子の平均を約5cm、約2kg上回る。ブラジル人と比べても、平均以上。今、フットサルではフィクソ(最後尾でプレーするDF)、フットボールではCBかボランチとしてプレーしていますね。憧れの選手は?
「CBではファン・ダイク(オランダ代表=リバプール)と冨安(健洋、日本代表=アーセナル)。ボランチではセルヒオ・ブスケッツ(元スペイン代表=インテル・マイアミ)と遠藤航(日本代表=リバプール)。アタッカーではベルナルド・シウバ(ポルトガル代表=マンチェスター・シティ)、三笘(薫、日本代表=ブライトン)、久保(建英、日本代表=レアル・ソシエダ)かな」
肌で感じる“ブラジル人との違い”って?
――今、アロウカとボタフォゴでは楽しくプレーできている?
「ええ、楽しくプレーしています」
――ブラジル人の選手がすごい、と思う点は?