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大谷翔平とエンゼルス“本当の関係性”「久々にみんなの顔を見て…」「救われてます」メジャー6年間の取材で記者が感じた“深いチーム愛”の話
text by
斎藤庸裕Nobuhiro Saito
photograph byNanae Suzuki
posted2023/11/16 11:02
ベンチで笑顔を見せる大谷翔平(2023年撮影)
思うように自身の結果が出なくても、チームの勝利が救いだった。
「充実感というより、ありがたいなという感じですかね。調子がそこまでよくないなかで、こうやっていいところでずっと信じて出し続けてもらっているっていうのは、感謝するべきところかなと思います」
4月に4本塁打はマークしていたが、得意なはずの本拠地で本塁打はゼロ。だが、当時のジョー・マドン監督は打線の中軸から大谷を外すことはなかった。二人には固い信頼関係があった。チームの勢いにも乗せられ5月9日、本拠地でのレイズ戦で自身初の満塁本塁打を含む2本のホームランを放った。
常に考えていた「期待に応えられるように」
「チームの状態がいいので、そのなかで打てない選手がいるところで、やっぱり代えたくなったりとか打順をもっと落としたくなるところだと思うんですけど、そこを我慢して使ってもらってすごい感謝してますし、早くその期待に応えられるようにって思いはあるので。まだまだ、今日1本、2本打ったからといって、すごい変わるわけではないと思うので、これを継続できるように頑張りたい」
振り返れば、不振の時も故障で離脱している時も、チームは辛抱強く復活を信じ、環境を整えてくれた。メジャーリーグに移籍してからの6年間、チームが勝てない状況を度外視すれば、二刀流はチームにもファンにも温かく支えられていた。2022年のシーズン中、胸中を明かしたことがある。
「ケガもありましたし、なかなか思うようにプレーできないシーズンもあったので、ただ、おおまかに見ると、いいシーズンが多いんじゃないかなと。ケガ自体もサポートしてくれて、自分のやりたいようにプレーできる環境をつくってもらったので、それはすごく感謝していますし、ここまでいいシーズンを続けられているかなと思います」
監督とGMの解任に「申し訳ない」
周りに助けられ困難を乗り越えた。だからこそチームに貢献できなかった時期は、ふがいなさを口にすることも多かった。2022年5月末から6月上旬にかけては、球団ワーストの14連敗を喫した。投打が噛み合わない状況もあったが、この間に登板した試合は2敗。よき理解者であり、二刀流の制限を撤廃したマドン監督も解任された。
「すべてが監督のせいというわけではもちろんないですし、むしろ自分自身も調子が上がらない申し訳なさもあるので。お世話になりましたし、本当に感謝の気持ちはありますね」