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〈マンガ〉藤井聡太八冠独占も「まだまだ改善の余地が」に感服…「再び棋士カップル結婚もめでたい!」観る将が描く胸キュン将棋ニュース
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byKeiji Ishikawa/Junsei Chida
posted2023/11/01 06:00
10月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!
「戸辺(誠)先生や佐藤康光先生はもちろんなんですが、渡辺先生パートが爆笑の渦で、僕も仕事を忘れて楽しんでしまいました!」
うらやましい……もちろん大舞台で活躍する渡辺九段は見たいですが、ざっくばらんに話す姿も一ファンとして大好きです。
3)まさかの帰宅→不戦敗など…将棋界いろいろ
将棋界全体を見渡すと、いろいろな出来事がありました。まずは先にイラストで登場した稲葉陽八段から。年末に行われる「将棋オールスター東西対抗」の関西ブロック予選で、3年連続での自力突破での出場権を獲得しました。“やっぱり稲葉!”と言いたくなるほどの安定感です。
さらに新鋭棋士が集う新人王戦決勝は1勝1敗で迎えた31日の第3局、上野裕寿四段(20)が両者1分将棋の末に大逆転で藤本渚四段(18)を下し、新人王に輝きました。前述した「藤井-永瀬の王座戦第4局」でも思いましたが、1分将棋は本当に何が起こるかわからない……。
一方で、50歳以上のベテラン棋士の新棋戦として注目が集まる「達人戦」では、福崎文吾九段に意外過ぎるハプニングが。
12日に関西将棋会館で対局に臨み、午前中の対局(増田裕司六段戦)には勝利したんですが……午後の対局(阿部隆九段戦)に姿を現さず、不戦敗に。当初連絡が取れなかったようで、連盟のライブ中継を見ていた人を皮切りにSNS上で〈ふ、福崎先生に何かあったの?〉〈大丈夫かな……〉との声が。どうもその日は“1局だけの対局”と勘違いし、帰宅してから対局があることに気づいたそうです。ファンやスポンサーに陳謝した福崎九段は、ABEMA中継などでいかにも“関西のオジサン”な面白トークを見せる姿で人気です。来期こそはぜひ檜舞台で見たい……。
女流タイトル戦も熱戦が続いています。
時系列に書きますと……7日、17日と行われた女流王将戦では西山朋佳女流王将が香川愛生女流四段に連勝して、タイトルを防衛。25日の女流王座戦第1局では里見香奈女流王座が加藤桃子女流四段に先勝しました。そして28日の白玲戦では西山女流三冠が里見白玲を下し、同タイトルを奪還。これで女流タイトル戦は西山女流四冠、里見女流四冠が分け合う形になりました……まさに最高のライバルです。
なお中村太地八段が運営しているYouTubeチャンネルでは「将棋界最後の秘境 サトミニシヤマの生態系」というなんとも大自然な名前のサムネイルとともに(笑)、おふたりの将棋を解説されていて非常に面白かったです。
祝!千田七段&中村女流のご結婚
そして最後におめでたいニュースとして、僕と同じ名字で大注目していた千田翔太七段と、中村真梨花女流四段が9月末にご結婚されたとのこと!!
2019年の朝日杯将棋オープンでは藤井七段と永瀬二冠(それぞれの段位は当時)らを破って優勝した実力を持つ千田七段が「マリカ攻め」と言われる中村女流四段とともに歩むことでどんな将棋に発展していくのか? 今年5月に結婚された本田奎六段と山根ことみ女流二段に続いて楽しみで仕方ありません。
藤井八冠のタイトル全制覇後も、棋士が見せる妙手・名局は続きます。観る将の一員として僕と編集担当さんも全力で棋界を追っていきます!<構成/茂野聡士>