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テイエムは来ないのか…騎手たちが見たテイエムオペラオー“包囲網”「オペラオーが一番強いことはわかっていた」《2000年有馬記念》
text by
田井秀一(スポーツニッポン)Shuichi Tai
photograph byHideharu Suga
posted2023/11/03 17:01
2000年有馬記念、テイエムオペラオーはハナ差でメイショウドトウをかわして中央平地重賞8連勝
よもやの先頭に押し出されたジョービッグバンのペースは上がらない。オペラオーが位置を上げることができないまま、団子状態の馬群は淡々と進んでいく。護送船団のように、覇王の周囲を馬が隙間なく埋め尽くす。ただし、その全てが眼光炯々と王の首を討ち取らんとする敵兵だ。
スタンドの大歓声は、不安混じりのどよめきに
向正面、残り1000m地点。出遅れたホットシークレットがようやく先頭に追いつき、一気にペースが上がる。
先頭交代の喧騒に乗じて、オペラオーの外にいた蛯名正義ダイワテキサス、武豊アドマイヤボスが上昇を開始。武は同年の、蛯名は翌'01年のリーディングジョッキー。名手2人の仕掛けのタイミングが一致した。メイショウドトウ、ナリタトップロードも同時に上がっていく。
「オペラオーが一番強いことは皆が分かっていた。並びを見ると厳しそうな位置にいたので、出し抜くつもりで仕掛けた。あれだけ勝ち続けていると当然、ターゲットになる。他の騎手も同じことを考えていたはず」(蛯名)
この動きによって内に押し込められたオペラオーはペースアップできない。13万人超が集まり、立錐の余地もないスタンドの大歓声が不安まじりのどよめきに変わっていく。
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