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プロ野球PRESSBACK NUMBER
楽天“育成指名なし”に「お金をかけない事情が」パのドラフトを山崎武司が斬る…指名漏れスラッガー真鍋慧を「高卒で見たかった」ワケ
text by
間淳Jun Aida
photograph byHideki Sugiyama
posted2023/11/01 11:01
ドラフト1位指名直後の囲み取材に応じる楽天・今江敏晃新監督
3位までに指名されなければ大学に進学する方針を示した影響もあったのか、その名前が呼ばれることはなかった。山崎さんは「上位で指名されたい気持ちは理解できますし、進路は個人の自由なので正解も不正解もないと思います」と前置きした上で、寂しさを口にした。
「セカンドキャリアや伸び悩む可能性を考えれば、大学や社会人に進む選択は利点があります。でも、プロでの活躍をゴールにするのであれば、高校からプロに入った方が良いと個人的には感じています。真鍋選手にはスケールの大きな選手になる可能性を感じているので、高卒でプロ入りするところを見てみたかったです」
真鍋選手は身長189センチ、体重89キロの恵まれた体格から、高校通算62本塁打を記録した。山崎さんは「体の大きさは持って生まれたものです。高校生なので未熟な部分はありますが、飛距離を出せる選手は限られています。プロの世界で体の芯をつくっていけば、体を生かした打撃を磨けるはずです」と語る。専門性の高いトレーナーと最新設備がそろった環境で練習し、長いシーズンで試合数をこなしていけば、自然とプロで必要な体の強さは身に付いていくという。
スケールの大きな選手を見たいですね
そして、実際にプロの世界で活躍する一流選手のプレーや野球に取り組む姿勢を間近に見られるところに成功のヒントがあると山崎さんは考えている。
「日本のプロ野球を引っ張るスケールの大きな選手を見たいですね」
チームの成績を考えれば、即戦力投手の獲得を優先するドラフトが王道なのは分かる。だが、粗削りなスタートからスター選手へと成長していく軌跡。一振りで球場を盛り上げるスラッガーの育成にもプロ野球の魅力がある。
<セ・リーグ編から続く>