ドラフトで指名した投手は、1位の東洋大・細野晴希投手のみ。今オフは先発ローテーションの中心を担う上沢直之投手がポスティングによるメジャー移籍、加藤貴之投手がFAで移籍する可能性がある。

　山崎さんは「細野投手はコントロールに課題がありますが、馬力が魅力です。プロでどこまで制球力を磨けるのかが活躍の鍵になります。ただ、コントロールを気にし過ぎて自分の特長を失わないようにしてほしいと思います。課題を修正しようとして良さが消えてしまった投手は、プロにたくさんいますから」と指摘した。

日本ハム1位指名の細野　©Hideki Sugiyama

ソフトバンク前田、ロッテ上田の評価は？

　支配下7人、育成8人と12球団最多となる15人を指名したソフトバンクは、外れ1位で大阪桐蔭・前田悠伍投手の交渉権を手にした。

練習試合の前に撮影に応じる東松と大阪桐蔭・前田悠伍　©JIJI PRESS

　かつては育成のイメージが強かったソフトバンクは近年、中堅やベテランと補強選手の活躍が目立つ。山崎さんは今オフにドラフト1位で入団した高橋純平投手や佐藤直樹選手が戦力外になっていることに触れ「前田投手は体ができ上がればローテーションの中心になれる力があります。ただ、補強資金のあるソフトバンクは、他の球団よりも早く結果が求められる傾向があります。高卒のドラフト1位と言っても猶予が長くないところに難しさがあるかもしれません」と語った。

　ロッテは指名した5人のうち3人が高校生だった。1位指名の抽選を3度外し、くじ運に恵まれなかった。結果的にドラフト1位となったのは、明治大の三塁手・上田希由翔選手。山崎さんは「広角に打ち分ける上手さと長打力がある選手ですが、守備力も問われる内野手で1年目から活躍するハードルは高いです。ロッテは来シーズンに向けた戦力を整えるというよりも、将来を見据えたドラフトになったと思います」とまとめた。

ロッテ1位指名の上田　©Hideki Sugiyama

　山崎さんは今秋のドラフトで寂しさを感じていた。高卒の野手、特にスケールの大きさを感じさせる選手が指名されなかったことだ。メジャーリーグで活躍している日本人選手やWBCに出場した日本代表選手の名前を挙げ、こう話した。

「ダルビッシュ有選手や大谷翔平選手を筆頭に、前田健太投手や山本由伸投手、打者でも村上宗隆選手、岡本和真選手、近藤健介選手と日本を代表する選手は高校卒業後にプロ入りしたケースが多いです。早くからプロの世界に慣れておくことが、成功する確率を上げる方法の1つだと考えています」

広陵・真鍋のプロ入りを見たかったワケ

　山崎さんが「高卒でプロ入りする姿を見たかった」と口にしたのは、広陵・真鍋慧選手だった。

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