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久保建英22歳“右サイド無双”はソシエダの拠り所「このゴールはタケのだ」指差し感謝のブライス…“動画に映らない”鮮烈MOMとバスクの風景 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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posted2023/10/25 17:03

久保建英22歳“右サイド無双”はソシエダの拠り所「このゴールはタケのだ」指差し感謝のブライス…“動画に映らない”鮮烈MOMとバスクの風景<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

途中出場わずか4分後に決勝アシストをマークした久保建英。“舌出し”にも余裕と風格が漂っている

「ホームで最低の試合だった、特に前半はうまくいかなかった」という試合後コメントが表す通り、マジョルカの激しいプレッシングに苦しんだ。

 現在のソシエダにおいて、“右サイドの久保”というのは攻撃の一つの形となっている。その久保がいないことで、攻撃の方向性を失い攻めあぐねると、中盤でボールを失い、マジョルカの速い攻撃に何度も決定機を作られた。守護神レミーロの驚異的セーブに救われたが……。

 前半終了間際には久保、バレネチェアの攻撃的な2人がピッチサイドでアップを始め、早い時間帯での交代があること、そしてチームが上手く機能していないことを示していた。

わずか4分のアシストに得点者は久保を指差し…

 後半に入って60分、久保が投入される。ベンチに久保が走り寄ると歓声が沸いたように、観客にとっては満を持しての投入であったが、指揮官としては、試合展開によっては完全温存もプランにはあったはずで、必要に迫られてのものであった。

 そして久保は、その期待に見事に応えた。

 投入からわずか4分、中央スビメンディからのパスを右サイド一杯に開き受けると、すぐさまカットイン。そのまま左足で放り込まれたクロスは、ピンポイントでブライス・メンデスの元へ。ブライスが頭で合わせ、貴重な先制点を獲得した。

 残念なことにセレブレーションは、ゴールネットを挟んだ先で行われたため、しっかりと撮影することはできなかったが、苦しんだ末のゴールに喜びを爆発させるサポーターに向かい、「このゴールは彼のものだ」とでもいうように、久保を指差す得点者ブライスの姿が写っていた。

 また得点直後には、久保をフリーにしてしまったマジョルカの左サイドバック、ラトが交代させられている。

久保と同等の人気を誇る“興味深い選手”とは

 攻撃の拠り所を手に入れたソシエダは、攻撃を活性化。久保のFKなど含めてチャンスを作り出したが決めきれずにいると、試合終盤には、またもやマジョルカの猛攻を受けた。それでもレミーロを中心になんとか守り切り勝ち点3を確保した。

 マジョルカとしては、レミーロのビッグセーブが連発されなければ、勝利することさえあっただけに――ボランチとして攻守に走り続けたサムはホイッスルと共にピッチに崩れ落ちる姿が見られた。また、久保と旧メンバーとの交流もピッチ上で見られた。

 この日、ピッチ外にも興味深いシーンが2つあった。

【次ページ】 久保と同等の人気を誇る“興味深い選手”とは

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