マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
「西武単独1位は“東都7人衆”随一の実戦派」「楽天“繰り上げ1位”の高校No.1遊撃手に各球団タメ息?」ドラフト全指名予想《西武・巨人・楽天編》
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byShinano Mainichi / KYODO
posted2023/10/25 06:01
ドラフト目玉候補の横山聖哉遊撃手(上田西・181cm85kg)
阿部新監督就任の巨人。1位指名はやはり“扇の要”
【巨人 2023年ひとりドラフト指名選手】
1位 進藤勇也 21歳 捕手 上武大 182cm90kg 右投右打
2位 木村優人 18歳 投手 霞ヶ浦高 184cm76kg 右投左打
3位 木村仁 22歳 投手 九州共立大 181cm88kg 右投右打
4位 津田啓史 20歳 遊撃手 三菱重工East 180cm80kg 右投右打
5位 古屋敷匠眞 23歳 投手 セガサミー 178cm85kg 右投左打
6位 大内誠弥 18歳 投手 日本ウェルネス宮城高 191cm77kg 右投右打
【巨人 総評】
阿部慎之助監督就任!
原辰徳監督時代が「攻める野球」だとしたら、阿部監督はいくら「原監督の野球を踏襲して」とは言っても、守りの整備にも着手するはずだ。
扇の要の大切さを、誰よりも痛切に感じているのは捕手・阿部慎之助として鳴らした監督本人だろう。
今季の扇の要・大城卓三捕手。3割30本も望める強打の持ち主だが、リード面で疑念を持たれた場面が、果たしてあったのか、なかったのか。ディフェンス面で信頼できる捕手が、アマチュア球界にいるのは、本当に珍しい。
1位・進藤勇也(上武大)の4年間は、大学のみならず「学生ジャパン」のレギュラーマスクとしても、全幅の信頼を得てきた。
精度もスピードも格段にレベルアップした送球能力と共に、キャッチングにヘッドワーク、捕手としての居ずまい、たたずまい。すべてにおいて、「王者」のレギュラーマスクにふさわしい。センターから右中間の意識で打てば、一軍で2割5分は望めるバッティングもある。
あまた居並ぶ快腕、剛腕に目をつぶってでも、今年の巨人は「進藤」だ。向こう3年、アマチュア球界に「進藤」は出てこない。
捕手に、消長の激しいリリーフ陣の強化、そして、3、4年先の台頭戦力。巨人の補強ポイントだ。
2位・木村優人(霞ヶ浦高)は近未来のエース候補。140キロ後半の速球に、カットボール、フォークはプロで勝負球になる。マウンドさばきに、いかにもエースらしい「品格」を感じている。
同じ高校生で、6位・大内誠弥(日本ウェルネス宮城高)も将来の主軸候補。木村優人投手よりちょっと時間をかけて、今の実力でも、佐々木朗希投手(ロッテ)の高校2年生ぐらいのレベルにはある。左の膝がスッと胸まで上がり、きれいなタテの角度でしなやかに振り下ろす。細い体で、手元で強い140キロ球と落差の大きなフォーク。いくつもの要素が「本家」に重なってしかたない。