東京六大学のホームランバッター・廣瀬隆太内野手（慶應義塾大）は、独特のバッティングスタイルだ。「とにかく大きく振りたい！」と、豪快な遠心力打法。振り幅が大きく見えて、155キロを140m飛ばした場面も。本人、調子イマイチと言いながら、打率2割弱でも、ホームランとタイムリーはしっかり打てる中軸打者の資質の持ち主だ。

　190cm105kg。これだけの巨漢だから150キロ近い剛球も投げるが、3位・日當直喜投手（東海大菅生高）の真価は、複数の動き方をするフォークの投げ分けだ。カウントをとれるフォークに、空振りの三振を奪う低めのフォーク。意外なテクニシャンだ。

　故障も癒えて、まもなく、オリックス・山下舜平大のような衝撃的デビューをするはずの左腕の大器・羽田慎之介（来季3年目・八王子高）と共に、将来のライオンズ投手陣を支える左右の剛腕が揃った。

“不作”の外野手からは4位で「九州No.1の逸材」

　今季40歳でも、栗山巧外野手の「野球」は若い。後釜は、同じタイプの三拍子ぞろいだ。

　6月の全日本大学野球選手権、初めて見た東門寿哉（日本文理大）の走攻守に目を奪われた。

　最初のひと振りで、内角難しいコースのカーブをライトスタンドにライナーでぶち込むと、痛烈センター返しに絶妙なセーフティバント。その一塁駆け抜けで3秒5台が出たから驚いた。素足で走るようなフットワークで、守備範囲も広い。

　今年は、キラキラッと光る外野手がいない……と思っていたところに、まさに彗星のごとく現れた隠れ逸材だ。

　2本柱の一角ながら、この先の伸びしろ抜群の5位・藤原大翔（飯塚高）は、細身ながら腕の振りが素晴らしく、6位・帯川瑠生（北海学園大）は地道な努力が成果に現れ、4年秋までずっと右肩上がりの成長を続けるサウスポー。アベレージでも145キロ前後をキープできるようになった速球にスライダー、カットボール、ツーシームを武器に、「なかなか失点しない投手」に台頭した。  

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