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岡田彰布が嬉しそうに「森下翔太、いいでしょう」…恩師・安藤統男が語る“岡田が名将たる所以”「話題の『アレ』は単なる言い換えじゃない」

posted2023/10/23 11:05

 
岡田彰布が嬉しそうに「森下翔太、いいでしょう」…恩師・安藤統男が語る“岡田が名将たる所以”「話題の『アレ』は単なる言い換えじゃない」<Number Web> photograph by Hideki Sugiyama

岡田彰布監督のもと、クライマックスシリーズも危なげなく勝ち抜いた阪神タイガース。元監督の安藤統男が語る“強さの理由”とは

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長谷川晶一

長谷川晶一Shoichi Hasegawa

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Hideki Sugiyama

阪神タイガースを18年ぶりのリーグ優勝に導き、“名将”としての評価を確立した岡田彰布。選手時代に経験した1985年以来となる2度目の日本一に向けて、死角はあるのか。投手陣の巧みな整備と運用、ルーキー森下翔太の抜擢、そして流行語となった「アレ」の意外な効果……。若き日の岡田を知る元阪神監督の安藤統男が、ともに過ごした“試練の時”や、阪神の強さの理由について大いに語った。(全2回の2回目/前編へ)※文中敬称略

選手生命を左右する大ケガを乗り越えて

 前年に打率.300を記録し、完全にセカンドのレギュラーに定着した岡田彰布に試練が訪れたのは、1983年のことだった。当時、阪神タイガース監督だった安藤統男が述懐する。

「この頃には、セカンド・岡田、ショート・真弓(明信)、サード・掛布(雅之)という布陣が完成し、監督としては安心して起用することができました。でも、この年のシーズン途中に右大腿二頭筋を断裂したんです。それで、岡田は残りのシーズンを棒に振ることになりました」

 このとき、岡田は担当医から「選手生命を左右する大ケガです。この次に同じ個所を故障したら引退です」と告げられたという。安藤は続ける。

「甲子園のぬかるんだグラウンドの守備で股裂きのような体勢になり、右太ももの筋肉を断裂する大けがでした。彼はすでにチームの中心だったし、球界を代表する選手になってほしかった。だから監督としては、“完治するまでは慎重にならなければ……”という思いでした。それで翌年になって、ようやく身体が動かせるようになったものの、すぐにセカンドで起用することにはためらいがありましたね」

 このとき、安藤の脳裏をよぎったのは、ブレイザー監督時代、岡田のルーキーイヤーの一件だった。

「プロ1年目のキャンプでは、ブレイザー監督の指示で岡田は外野練習をしました。このときのことを思い出したんです。足のリハビリを兼ねて、ある程度の走り込みは必要です。外野ならば、ノックを受けることで足腰の強化にもつながります。それで、彼に“しばらく内野では使わないから、外野練習をしろ”と告げました。その言葉に対して、文句は言わなかったけど、ブスっとはしていたね。明らかにふて腐れていたもの(笑)」

【次ページ】 「岡田は投手の整備に長けた監督」

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